指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ビートルズのサージェント・ペパーズ。

 基本的には作品と自分という一対一の関係を至上と考えるある意味での原理主義者でなんにせよあまり作品についての人の評価というのを意に介さない。記憶をたどるとビートルズのアルバムで最も評価が高いのはサージェント・ペパーズだと教えてくれたのは親友のssでもう随分昔のことのような気がする。それ以来サージェント・ペパーズには一目置くことになる。でも前にも書いたようにきちんと腰を据えてビートルズのオリジナルアルバムを聴き込んでみると個人的にはサージェント・ペパーズにはあまり感心できるところがない。「She's Leaving Home」はすごく美しい曲だと思うくらいがせいぜいだ。「A Day in the Life」のカタルシスもそんなすごいかこれ意外と通俗じゃねえかと首を傾げざるを得ない。それで自分としては「Abbey Road」がいちばんいいアルバムなんじゃないかと思って来たしそのことは以前ここでも触れた。そしたらブルータス誌の最新号によると村上春樹さんは「Rubber Soul」がいちばんだと考えてらっしゃるそうでやっぱサージェント・ペパーズじゃなかった。なるほど。「ドライブ・マイ・カー」も「ノルウェイの森」も収録されている。「ミッシェル」と「ガール」もすごくいいな。ちなみにアルバムタイトルはずっとゴム底という意味かと思ってた。でもそれなら綴りはrubber soleだよね。調べるともう少し深い謂われがあるようだ。
 「村上RADIO」も毎日聴いている。流し聴きしてるせいか強く心惹かれる曲がない。でも繰り返し聴けばまた何か見つかるだろう。「スタークロスト・ラヴァーズ」みたいに。そう言えば図書館にブルース・スプリングスティーンの「Western Stars」が届いたので聴いてみる。分類はメインストリーム・ロックということでこれではなんなのかよくわからない。でも聴いてるとカントリー色が随分濃いような気がする。一聴してすごく新鮮という印象にはならない。でも逆にこういう使い古された構成で今でも聴き応えのある曲がつくれるのかという驚きはある。「村上RADIO」で初めて聴いて気に入った「Moonlight Motel」も同様でこういうメロディーラインでまだ美しい曲ができることに驚かされる。それとブルース・スプリングスティーンの厚みのあるボーカルにもなんて言うかこう迫ってくるものがある。しばらく聴き込んでみたいと思う。
 明日からTokyo FMの「THE TRAD」という番組に村上さんが出演され稲垣吾郎さんと対談するということでこれも録音することになりそうだな。村上RADIO公式のツイートで知った。

それと。

 村上さんは英語のレコードを買って来て歌詞を訳してるうちに英語にすごく興味を持ったという趣旨のお話をされてたと思う。そうなんだ。僕も歌詞を眺めたりはよくしていた。対訳も読んだ。でも歌詞を訳そうとは思わなかったな。中学での英語の成績はよかったし高校では学校の成績は悪かったものの後半から浪人にかけてはものすごく勉強したので最終的な模試の偏差値はかなり高かった。でも結局英語を話せるようにはならなかったしそれ以上英語で何かをしようとも思わなかった。その差は何かと言うとやっぱり世界への好奇心とでもいうものの差なんじゃないかという気がする。自分の世界を広げようという意志が弱かったということかな。今は英語を教えていて何しろ恐ろしいほど単語を忘れてしまっていることを毎日のように思い知らされているしこれからリカバリーしようという気にもなかなかなれない。でも人は努力次第でNHKのラジオ英会話でも英会話を習得することができる。ちょっと前に読んだ英語の堪能な人の記事によると週に一回英会話に通うというのは労力とお金の無駄でしかないそうだ。やるなら半年なら半年と区切って毎日英会話に漬かった方が効率はずっといい。それとやはり文法はしっかりやっておいた方がいいということでそっちはまあ結構できてると思う。ということで英会話やろうかなひそかに。なんかこの前も新しいサイトをつくろうかとか言ってたよな。新しいことを始めたいんだな。どうしてかわからないけど。
 水曜日は仕事の始まりが早いかわりにうまく行くと夕方一時間ほど時間が空く。なので今日再放送された分の「村上RADIO」をパソコンで聴きながらこれを書いている。曲の間に書く。トークが始まると書くのをやめる。前回もそうだったかも知れないんだけど今回レコードも村上さんご自身がかけてらっしゃるようでかけるときのひとりごとがなんとなくユーモラスだ。CMは今は時間がないので二倍速にして聴き飛ばす。でも本当はCMもラジオの醍醐味だと思う。セミリタイアのくせになんでそんなに忙しいんだ。それもよくわからない。

「村上RADIO冬の炉端で村上SONGS」。

 昨日の再放送分。昨日は聴く暇がなかったので今日の朝食後に聴いている。ブルース・スプリングスティーンの「Moonlight Motel」がかかる。この人の曲はほとんど聴いたことがなくて「Born in the U.S.A.」くらいしか知らない。初めての彼女がまだつき合い出す前にこの人のライブに行ったって話してくれた記憶がある。この曲が村上さんの歌詞の解説とも相まってなんだかすごく心にしみた。すぐに図書館で検索すると収録アルバム「Western Stars」がヒットしたのでリクエスト。こうして聴く幅が少しずつでも広がって行くといいなと思っている。この前のゴリラズのアルバムも三枚借りてパソコンに取り込んである。でも忙しくてまだ聴いてない。聴かなきゃ。それからこれは今回の放送に限ったことじゃないんだけど毎回のオープニングがなかなかいい。本放送のときにはなかったオープニングなんじゃないかと思う。スクリプトは「風の歌を聴け」で猿の漫才師(猿じゃなくて犬だっけ?)のDJから「僕」に電話がかかって来るシーンじゃないかと思う。BGMはビーチボーイズの「California Girls」で最近すっかり聴き慣れてしまったので前奏だけでなんだかわくわくする。これを聴いてるとほんとラジオっていいよなと思う。今の生活ではなかなかラジオを流しっぱなしという訳にも行かない。そう考えると十代から二十代の初め机に向かって勉強してる時間というのはそれはそれで豊かだったのかも知れない。好きなだけラジオが聴けたから。そしてお気に入りの曲というのに出逢うことができたから。
 それからこれは曲じゃないけどニューヨークで空港から乗ったリムジンでのドライバーと村上さんとのエピソードもよかった。ちょっとだけ奇跡だよね。

「村上RADIO The Beatle Night」。

 僕がいちばん好きなビートルズ評は「ノルウェイの森」のレイコさんのものだ。「この人たちはたしかに人生の哀しみとか優しさとかいうものをよく知っているわね」「ノルウェイの森」を初めて読んだときにどれくらいビートルズの曲を知ってたんだろう。オリジナルアルバムをほぼ全部集めたのは塾を始めてからだからずっと後のことになる。でも本を初めて読んだとき改めて「ノルウェイの森」を聴こうと思った記憶がないので少なくともこの曲他数曲は知っていたんだろうと思う。村上さんの「ノルウェイの森」を読むのにビートルズの「ノルウェイの森」を知ってる必要があるか。ないんじゃないかと思う。今思うと直子が亡くなった後のワタナベ君とレイコさんのふたりだけのお葬式でレイコさんがビートルズのナンバーをギターで何曲も弾いた中の一曲にこの曲があったという以上の意味はこの作品のタイトルにはないんじゃないかという気もする。じゃあこの作品のタイトルは「エリナー・リグビー」でもよかったのかと言えばまあそれでもよかったんじゃないかな。いややっぱ「ノルウェイの森」が絶妙かな。とやはり村上さんとビートルズと言えば「ノルウェイの森」の話になる。
 この番組はビートルズに対する他のアーティストのカバー曲がメインで構成されている。でもカバー曲を聴くとやはり原曲が聴きたくなる。またそれと矛盾するようだけどカバーにするとより一層原曲のメロディーのすばらしさが際立つ気もする。それとDo You Want to Know a Secretがジョージ・ハリスンのヴォーカルだったとは知らなかったな。ジョン・レノンかと思ってた。

そんなことしかできない。

 昨日地震があって心配だから母親に電話するよう家人が言うので電話した。弟が結構な酒量を飲んでるという話になったとき母親が言った。この前電話でこの話を**くん(うちの子)にしたらうちのパパも随分飲んでるみたいだけど僕は何も言わないんだよ、だってパパは毎日一生懸命働いてるんだからお酒くらい飲んだっていいと思うから。感心しちゃったよいい子だねえ。お前は本当にかわいがって**くんを育てたんだね。だって親にできることってそれくらいしかない。そんなことしかできない。

村上春樹ライブラリーに村上RADIOコラボTシャツを着て行くべきか。

 今日午前中村上春樹ライブラリーに家人と一緒に行った。実は在学中と比べると今の方が大学に近い場所に住んでいて行こうと思えば割に手軽に行ける。でももちろん滅多に行かない。行く用事がないからだ。村上RADIOコラボTシャツを着て行くかどうか結構迷った。なんて言うかもしも同じのを着てる人がいたらそれはそれで気まずいかも知れないとかまたこれ着てきた人がいたよとスタッフさんに思われたらやだなとかそういうことを考えたからだ。でも最終的にもう年も年なんだし多少気まずくてもやでも構わないんじゃないかと開き直ってお気に入りの「ダンス・ダンス・ダンス」のTシャツを着て行くことにした。割に気温の低い日で短パンはやめにして普通のチノパンとスポーツサンダルを履いて行った。大学に着くと思いがけずすごく懐かしい気がした。道は意外に広く思ったよりずっと静かだ。コロナ禍のせいか学生さんたちの往来も少ない。正門は昔は階段だったような覚えがある。今は緩やかなスロープになっている。元の4号館がどこにあるかは事前に確認しておいた。でも思い違いをしていて結局配置図のお世話になった。おそらく在学中は一度も行ったことのない場所だ。我らが小汚い8号館は立て直されて昔の面影はもうなかった。昔のままだったら中に入ってみたかも知れない。入ったところで何も元通りになりはしないんだけど。決められた時間より20分ほど早く着いてしまったので写真を一枚撮った後少し離れたベンチに座って待つ。

 構内の佇まいはなんだかすごくいい感じだ。立派な立木たち重厚な作りの校舎そこかしこに設置された古いベンチ。素敵なところだなんて昔は一度も思ったことがなかった。でも今は何か心惹かれるものを感じる。同じ時間帯らしき予約者がぽつぽつ現れては建物の外観を写真に収めている。村上RADIOのコラボTシャツを身につけるような酔狂な人は僕ひとりみたいだ。時間になって入り口まで行くと並んでる人はほんの数人。手首での検温を受け少し待たされた後自動ドアをくぐって中に入る。おしゃれな足踏み式のアルコールのボトルで手を除菌しもうひとつ自動ドアをくぐって右手の受付のようなところへ。ここでスマホに来ている予約完了メールをチェックしてもらい入館証を渡される。

 それを首から下げて中を見回ることになる。入り口を入って正面が例の階段状本棚で地下一階に下りて行くことができる。この階段で家人が段差を見間違えて危うく転げ落ちそうになる。ブルータス誌の表紙で確認していただけるとわかりやすいかも知れない。向かって左側に比べて右側は一段抜かしになってる。この右側が結構段差があって僕の身長でも危うく転びかけたほどだ。けが人が出ないといいけど。これから行かれる方は要注意。地下はカフェ「橙子猫(ORANGE CAT)」と村上さんの書斎を再現した展示物がある。後者は中に入れなくて硝子越しに眺めるだけだ。カフェの隅には村上さんのお店「ピーターキャット」に置かれていたグランドピアノもある。カフェのレジの横にエレベーターがあってとりあえず上から下りて来ようという話になって乗り込む。地上五階ということだけどエレベーターのボタンは二階までしかアクティブになってない。つまり通常の展示は二階までということだ。でも二階は隈研吾さんの展示になっており個人的には建築とかにまるで興味がないので見る意味がない。早々に一階に下りる。一階は先に見たように受付とオーディオルームがある。古いジャズのアルバムが何枚か展示され中には「ピーターキャット」のスタンプの捺されたものがあってそれは近寄って写真を撮った。簡単なオーディオセットが置いてあり低いけど割にいい音でジャズが流れている。本棚の本を熱心に見てる人が多い。でもこれって村上さんご自身の選書じゃないんだよね?コーディネーターが他にいらっしゃると確かブルータス誌に書いてあった。だからいまいち興味が持てず。という訳で15分もすると大体見終わってしまう。時間は一時間半与えられているのでとりあえずカフェで何か飲むことにする。カウンターの中には女の子が三人いていずれも早稲田の学生さんということだ。皆さんとてもかわいくて感じがいい。そして「風の歌を聴け」の表紙がモノクロで印刷された新潮社の限定プレゼントのTシャツを揃いで着てる。「ダンス・ダンス・ダンス」のTシャツとは格の違いを見せつけられた気がして敗北感がハンパない。家人はアイスチャイラテを僕はジンジャーエールを注文。コーヒーがとてもいい香りを立ててたけどほら眠れなくなっちゃうから。座って飲みながらこの中にいる人でファンじゃないのは私だけねと家人が言うのでもうひとつあるよ作品を一冊も読んでないのもたぶん君だけだよと言ってふたりで割にげらげら笑う。カフェは採光もよく広々していてとても気持ちがいい。この建物の居心地の良さは明らかに入館者の人数を絞ってるところにあると思う。それは本当に大成功だ。ただ展示物が少なすぎるのが難だ。という訳で三十分で出てきてしまう。その後早稲田大学歴史館で早大出の漫画家さんの展示があるということで家人が見たいと言うので見る。そのミュージアムショップでスクールマフラーを見つけてしまった。12,800円。持ち合わせがなかったので諦めたけど冬が来る前に買いに行きたい。家人は二度と来ないかも知れないからと大隈講堂の写真を撮りそれから大隈庭園を少しだけ歩く。そして帰る。家人は村上さんの書斎の再現にショックを受けたようであれが最高の環境だとしたら自分は最低の環境にいると一応同業者らしいことを言う。あれだけいい環境だったらいくらでも書けそうだよねと。だって売り上げが違うんだからしょうがないだろと思うけど言わない。今日のタイトルに対する答えはカフェでショックを受けるので着て行くべきではないということになる。ただし「風の歌を聴け」Tシャツが当たった人はこの限りではない。

 

Wham!のLast Christmas Pudding Mix。

 今日再放送された「村上RADIO~村上式クリスマス・ソング~」でWham!Last Christmas Pudding Mixがかかった。個人的にはこの曲も雷に打たれた系思い出の曲でそれについても前にすでに触れた。1980年代に青春を迎えた人々の中にはこの曲にほろ苦い思い出がある人も多いんじゃないかという趣旨のことを村上さんは話された。自分はどうかと言うといい曲だなこれ誰の曲だろうと強烈に思ったことを覚えてるだけだ。場所は吉祥寺パルコの中のあるテナントの前だった。初めての彼女とまだつき合ってたと思うけど不思議と彼女の姿を思い浮かべてもなんの曲も頭に浮かばない。そういう意味ではこの頃からすでに音楽は自分の好きなものだけをひとりで気ままに聴いていたということかも知れない。それまでに「クラブ・トロピカーナ」や「バッド・ボーイズ」などWham!のヒット曲はよく知っていた。でもこの曲を聴いてすぐに彼らの曲とは気づかなかった。その後どこかで再会して初めて彼らの曲と知ったんだと思う。村上さんもおっしゃるようにPudding Mixというのが何を意味するかは僕にもよくわからない。ただあの頃は通常の長さのシングルの他にロング・バージョンというのをリリースするケースが結構あった。ダンス・ミュージックを意識してのことだと思う。FMラジオのロング・バージョン特集の番組を録音したカセットを確か持っててそこにはマドンナの「Like a Virgin」とかデュランデュランの「Wild Boys」とか(これはすごく下品な仕上がりだった。)ロマンティックスの「Talking in Your Sleep」とかが入っていたのを覚えている。長けりゃいいってもんじゃないかも知れないけどまあ流行ってたしなんとかミックスという副題もいろいろで中にはよくわからないものもあった気がする。そういうののうちのひとつとしてPudding Mixというのもあったということだと思う。ちなみに今僕が持っててよく聴くバージョンもこのPudding Mixで他のバージョンがどんな風だったかは今ではもうよくわからなくなっている。
 もうひとつビング・クロスビーの「White Christmas」について村上さんはこの曲が入った四曲入りのミニアルバムが自分が初めて手にしたレコードだと語られている。12歳の時にご両親がステレオセットを買われてサービスとしてついて来たんだそうだ。やはり音楽との出会いというのはそのくらいの年齢なんだなと共感した。僕がコンポを買ってもらったのも11歳の時だった。初めて聴いたのはカーペンターズの四枚組のベスト・アルバム。あのときすでに聴き始めていたクイーンとかジョン・レノンとかポール・マッカートニーとかのレコードを買ってもらってたら音楽に対するスタンスというのも今とは随分違ってたんじゃないかと思う。でも僕としてはカレン・カーペンターの歌声がものすごく好きだった訳だ。そういうのって運命のようなものだと思う。それと昨日気になったゴリラズというアーティストは図書館で検索すると何枚かCDが所蔵されてることがわかった。それで年代の新しい方から三枚リクエストした。聴いてみておもしろかったらまた触れます。

アーリーセミリタイヤなのかも知れない。

 アーリーリタイヤした方やセミリタイヤ中の方のブログを拝読してることは前にも書いたかと思う。それでふと気づいたのは自分はアーリーセミリタイヤとでも呼んでいいんじゃないかということだ。49歳でリタイヤしその後も一応仕事はしているもののフルで働いてるとはとても言えない。一日の拘束は長くても六時間短ければ二時間半で収入は現在親子三人で暮らして行くにはちょっと足りない。つまりまあいろんな角度から見てバイトで暮らしてるのと同じようなものだ。時給換算すると東京都の最低賃金よりは幾分高いかも知れないけど。だからなんだと言うと自分も何かのカテゴリーには属すことができてるんだなということなのかも知れない。でも属したところで帰属意識が満足する訳でもなし救いというものも特にはない。
 調べると年金というのは60歳から前倒してもらえるらしい。65歳からもらったり70歳からもらったりするのと比べると早めにもらい始めても総額でどこかで追い抜かれてしまうということだ。でも僕の場合はもう何しろ命からがら生活してるようなものなので少しでも早く楽になりたい。先のことなど見通してる余裕はない。今このときをなんとかしのいで行かなければならない。だからあと二年で年金がもらえると思うとすっと気が楽になる。さらに一年半経つとうまく行けば子供が大学を卒業する。それもまたひとつの希望だ。ぬかるんだ道をよろよろととりあえずあと数年は歩ききらねばならない。

村上づくし。

 Brutus誌の村上春樹特集を少しずつ読んでいる。そして今は村上RADIOの第二回目の放送分の再放送を録音で聴きながらこれを書いている。トークの時は手を止めて耳を澄ませ曲が始まると聞き流しながら文を書く。ある意味突然村上づくしの日々が始まって自分でも驚いている。Brutus誌の方から触れると「村上春樹の私的読書案内。 51 BOOK GUIDE」で取り上げられてる51タイトルのうち僕も持ってるのはわずかにリチャード・ブローティガンの「アメリカの鱒釣り」と小島信夫さんの「アメリカン・スクール」のみ。読んだことがあるのまで含めてもこれにアンドリュー・ターンブルの「完訳フィッツジェラルド伝」と原書が取り上げられてるけど村上さんご自身の訳で読んだレイモンド・カーヴァーの「僕が電話をかけている場所」が加わるだけだ。でもこの51タイトルは現時点であまり考え込まずにさらっと選ばれたものなんじゃないかという気がする。もっと重要なタイトルもあっていいはずだ。今ゴリラズというバンドの曲がかかってるけどこれおもしろいな。後でちょっと調べてみよう。村上RADIOの方は僕にはコレクター気質があるせいか全部録音してとっておこうと思ってとってるんだけどやはり曲というのはタイトルを聴いたら頭にそのメロディーが流れてくるくらいには聴き込まないと楽しめないんじゃないかと思うのでそのためには繰り返し聴いた方がいいような気がする。曲を手に入れるとはダウンロードにせよCDにせよ何かを録音するにせよ繰り返し聴くことを前提としている。だからラジオの場合でも録音しといて繰り返し聴いた方がいいんじゃないかと思う。一度聴いただけで雷に打たれたようにこれはいいなあと思う場合もないではない。個人的には坂本龍一さんの「Merry Christmas, Mr.Lawrence」なんかがそれに当たる。でもそれは本当にレアなケースでなんかよくわかんないものを繰り返し聴いてるうちにその魅力に気づくというのも音楽の大切な聴き方のように思われる。たとえば村上RADIOの他の回でかけられたデューク・エリントンの「スタークロスト・ラヴァーズ」やビーチボーイズの「カリフォルニア・ガールズ」なんかは三回くらい聴いたのでだいぶ頭の中にメロディーが残っていてなるほどこれはいい曲だなと思い始めている。若い頃ならここからこれらのアーティストの他の楽曲に手を広げるところだったろう。でも今はそういう元気はなさそうで残念と言えば残念だ。明日からも金曜日まで村上RADIOの再放送がある。大切に聴いて行くことになる。

小さな発見。

 村上RADIOを聴いていて気づいたのは村上さんの「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「ワンダーランド」のイントネーションが僕の頭の中のものと異なってることだ。村上さんはたとえば「不思議の国のアリス」の原題「Alice's Adventures in Wonderland」の「Wonderland」のイントネーションと同じくはじめの「ワ」に力を入れて発音なさってる。でも僕の頭の中ではたとえば「ディズニーランド」と発音するのと同じように「ラ」を強調して発音がなされている。(これを太字を使って表記したくて先ほどタグが使えるか試したんだけど使えないみたいだった。)それがどうしたと言われると別に大したことじゃないので困る。ただずっと「ラ」に力を入れて読んでたので階段を一段踏み外したみたいな違和感を覚えたというだけのことだ。そういうのがわかるのもラジオの効用のひとつだよねと無理矢理結論づけてもいい。

ラジオの楽しみ。

 村上RADIOを三回分聴いた。ラジオのフォーマットっていいなと思った。トークがあり曲がありCMがある。とてもシンプルででもとても独特だ。音が消える瞬間がある。一瞬かもうちょっと長いか。それがラジオらしいと思う。これをラジオの文体と言っていいのかな。村上RADIOもこの文体に乗っている。トークと曲とCM。これは別に村上さんの発明ではなくオーソドックなフォーマットだと思う。でもああラジオってこうだよなと思って内容だけでなくフォーマットもいいなあとすごく感じた今日。

村上RADIOを録る。

 村上RADIOがまとめて再放送されると教えていただいてこれは是非聴きたいと思っただけじゃなくできれば録音してとっておきたいと思った。それで昨日からウェブでいろいろ方法を探っていた。とりあえずRadikoWindows 10のボイスレコーダーを使う方法に行き当たったのでやってみた。でも僕のパソコンじゃできないようでボイスレコーダー上の使えるデバイスからマイクをはずすとインターフェイスがアクティブじゃなくなり一切のコマンドを受け付けなくなる。それで諦めて別の手を探した。すると「らじれこ」というフリーのソフトが見つかったのでインストールしてみた。マニュアルがわかりづらかったので(これはマニュアルのせいじゃなくもともとマニュアル読むのが不得意な僕のせい)とりあえずぶっつけ本番でRadikoにTimeFreeでアップされていた8月放送回が今月の23日に再放送された分を取り込むことにした。Tokyo FMを選び番組名で検索してヒットした「Music in MURAKAMI~村上作品に出てくる音楽~」という項目を選んでアイコンをクリックするとダウンロードが始まり数秒で終了。ライブラリを開くときちんと表示されていて選択して再生ボタンを押すと再生が始まる。これは僕のパソコンでもうまく機能しそうだ。とりあえず聴くのは後回しにして9月放送分もTimeFreeでダウンロード。あっという間に完了する。今はそれを聴きながらこれを書いている。インターフェイスも直感で使えてすごい便利だ。明日からも毎日録音して行き全放送回をコンプリートしたい。それともTimeFreeをダウンロードした方が速いのかな。明日からのオンエアがすべてTimeFreeに来るのならTimeFreeでダウンロードしよう。明日の分はすでに録音予約してある。

また教材を買いに行く。

 最近ご成約になった生徒さんの分の教材を買いに池袋へ。西武の先の元リブロだった三省堂書店が行きつけでそこにないときはジュンク堂書店へ行く。品揃えはジュンク堂の方がきちんとしている。三省堂は欠品してることが結構ある。ただジュンク堂は教材が八階かそこらにありあまりエレベーターを使いたくないのでエスカレーターで行くと割に時間がかかるのがネックと言えばネック。今日は全部三省堂で揃ってよかった。それから西武内のLittle Chefでセロリの漬け物(じゃないかも知れないけどまあそんな感じ)を買い家人のお弁当を買って帰って来た。僕は最近見つけた松屋のカレーのレトルトをご飯を炊いてもらってそれにかけて食べる。これはかつての松屋のカレーをすごくよく再現してる気がして懐かしいしおいしい。でも家人には辛すぎるようだし子供はあまり気に入らないみたいだ。なのでこれを食べたいときはご飯を炊いてもらって僕だけが食べることにしばらくはなりそうだ。一過性ではなくコンスタントに店頭に並ぶようだったらうれしい。ちなみに松屋とは牛めし松屋