指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

世界をつくる。

三崎さんの作品としてはこれまで読んだ中でいちばん長かった。ひとつのテーマを扱った短編連作で、カンバスの上に何度も重ね塗りされたような厚みのある物語だった。ただ、三崎さんは物語をつくるよりもあるひとつの世界のあり方をつくり出す方が得意なんじ…

そらすこんともう一冊。

「そらすこん」は作者自身による略し方なので公式と言っていいと思う、っつかまあそんなことは別にどうでもいいんだけど。読みながら「そらすこん」は「わたくし率 イン 歯ー、 または世界」に、「世界クッキー」は「乳と卵」に対応している気がした。対応し…

すれ違う生活。

月曜日、火曜日と接待で帰宅が遅くなり、疲れているので朝子供が家を出て行くときには僕はまだ寝ていて、反対に僕が帰って来る頃には子供はすでに寝ている、ということが続いた。それほど子供とすれ違うのもすごく久しぶりのことで、すると水曜日の朝おなか…

無害な妖怪。

子供と家人と三人で泳ぎに行く。子供とは追いかけっこするようにそれぞれ五百メートルずつ泳ぎ、家人は三百泳いだ。ちょっと泳ぎ足りない気がしたけど、子供もいるのでそれはまあ仕方ない。プールは時期的に空いていて泳ぎやすい。 プールを出てから駅前のマ…

久々に休暇。

大体の感じで言うと毎週月曜日から水曜日まではルーティンの得意先回りに当て、木、金は毎週は顔を出さなくてもよい得意先回りや、社内の出荷作業の手伝いなどに当てている。今日は来客がある予定だったが昨日急にキャンセルになりそれでぽっかり空いてしま…

時間と場と物語。

「百年の孤独」の訳者後書きだったか、ガルシア=マルケスがその作品について、これは我々にとっての現実なのだと話したという一節が確かあったと思う。幽霊が家に住みついていたり、何年も続けて一日も休まずに雨が降ったりする「百年の孤独」をつかまえて…

ホウオウ、その後。

またしてもホウオウの話題。その後調べたら個人的には結構恐るべきことがわかって、それはホウオウをゲットしてもリリースしてしまう人がいるということだった。ポケモンにはそれぞれ性格が設定されていて、つかまえたホウオウが好みの性格でなかった場合に…

ホウオウ、ゲット。

ホウオウがつかまらない、という趣旨の検索語でいらっしゃる方が多かった。つかまりませんよね、なかなか。でもようやくつかまえることができたので、攻略ではありませんが、体験記として記します。ソフトは「ポケットモンスター ハートゴールド」です。 10…

10月に読んだ本の残り。

橋本治さんの新しい文庫は、挿絵がさべあのまさんでほとんど絵本と言ってもいいような構成になっている。後書き替わりのおふたりの対談を見ると、橋本さんは教科書に出てくるようなお話が書きたかったそうだ。 抵抗力のない、弱そうな作品だからこそ、伝えら…

現代のイヴァン・カラマーゾフ。

少し前の本なので買おうか文庫になるのを待とうか迷っていたら、家人が図書館で見つけて借りて来てくれた。 物語の複雑さと精巧さとが魅力だ。描写も細かい。たとえば、相手から何かを言われてそれについて返事をするときに、その返事が微妙に相手の不興を買…