指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

世界との距離を言葉で埋める。

川上未映子著「発光地帯」 川上さんのエッセイを読んでいると自分のものの見方が雑に思えて仕方ないんだけど、その雑な自分から振り返って川上さんの方を眺めてみると自分など比べものにならないほど遙かに多くの違和感に囲まれていらっしゃるように見える。…

読んだり聴いたりしたくなる。

「村上春樹 雑文集」 これを読むと村上さんが取り上げられている本を読んだり、音楽を聴いたりしたくなって来る。音楽の方ではこれまでにもスタン・ゲッツや「大公トリオ」やビーチボーイズの「ペットサウンズ」などを買ったり借りたりしたけど、いずれに対…

やっちゃいけないこと。

中原昌也著「名もなき孤児たちの墓」 たとえば「洗練」という言葉を思い浮かべるとそういうことはまるで目指されていないように思われる。あるのは醜悪な自意識と、暴力、しかも女性とか幼児とかに対する暴力の衝動と、あまり一貫性の感じられない行動原理、…

楽しい体重計。

体重計が壊れたので買い換えた。最近のやつは体脂肪率から筋肉の重さから骨密度まで測れるらしい。まあ年齢的に骨密度はまだいいかということでその機能ははずしたんだけど、筋肉と脂肪のバランスから、あなたの身体の年齢は何歳くらい、というのが表示され…

書けって言うから書くけど。

もともと人づきあいはよくないんだけどたまにすごく好意を寄せてくれる男の人というのがいる。いや、別にそっちの話じゃなくて(と信じたい。)。なんで俺なんかにそんなにこだわるんだろうと不思議に思われる人がこれまでに何人かいた。実は今の職場にもひ…

一種のミステリー。

桜庭一樹著「私の男」 「赤朽葉家の伝説」以降の桜庭さんの作品が読みたかったので。て言うか去年買ったまま読まずに置いてあった。 腐野淳悟と花の(養)父娘関係はどう考えても不自然なので、その根拠を追いつめて行く一種のミステリーと言えると思う。そ…

共倒れ。

日曜日の朝から子供の具合が悪くなり、胃がむかついて何も食べたくないと言う。前にもそういうことがあったので今回も食欲が出るまで待ったが、昼にパンを少しと飲み物を口にすると一時間ほどで全部戻してしまった。微熱もある。ウェブで調べると脱水症状を…

密度の低い部屋。

吉田修一著「パレード」 これも貸してくれる人がいて読んだ。吉田修一さんの作品は「パークライフ」と「7月24日通り」だけ読んでいて、「悪人」も興味があるけど今のところ読む予定は無い。 奇妙と言えば奇妙な話で、この感じはなんだろうなと考えて思いつい…

不倫は恐い。

東野圭吾著 「夜明けの街で」 不倫は恐い。僕ならしない。その根拠は随分前に書いたことがある。 東野圭吾さんの作品については検索したけどここで書いたことは一度ないみたいだ。でも「秘密」と「容疑者Xの献身」と「どちらかが彼女を殺した」を読んでいる…

物語からはみ出した時間。

山崎ナオコーラ著 「カツラ美容室別室」 働かない訳には行かないので働く。一日のうち三分の一から半分弱の時間が働くことに持って行かれる。残った時間がプライベートだ。つまり働く人たちのプライベートな時間というのは分断されている。夫婦で大げんかを…

久々に会社を休む。

今週に入って大きな仕事が片づき次の大きな仕事までまだちょっと間があるので、昨日は久しぶりに休みをもらって家人と池袋に出かけた。家人の編み物用品とか何に使うか知らないけど芯が不要のステイプラーとか、細々した懸案がいくつかあった。僕はスクール…

これで全部読んだ。

炊事はまったくしないのでおそらくこの作品のよい読者とはあまり言えないと思うけど、絲山さんのお人柄の一端が窺えるようでそういう意味では楽しかった。また連載中は本当に大変だったんだなとご苦労が忍ばれる。 絲山さんの手に入る作品はこれで全部読んだ…

すごく惜しい気がする。

単行本が出たときにおもしろそうだけどいきなりハードカバーは勇気がいるな、と思った。桜庭さんの作品は読んだことがなかったからだ。文庫になったのを見つけたのはつい最近のように思っていたけど、去年の9月ということだ。買ったのはつい先日。 重厚で複…

よくわからないんだけど。

映画版「ノルウェイの森」のCMで、特にモニターを使った書店でのプロモーションのときとか、マジでビートルズの「ノルウェイの森」がかかってて。でもビートルズの「ノルウェイの森」と小説「ノルウェイの森」の関係は、映像化した場合には違和しか感じさせ…

こういうときに必要なもの。

伊藤たかみ著「フラミンゴの家」 離婚後六年でひとり娘は小学六年生。親権を持っている元妻は病気で入院ししばらくの間ということでその娘を預かることになる。自分は父親でも割と子供のことを把握している方だと思うけど六年のブランクがあってしかも難しい…

ヒートテック!

仕事が忙しくて遅くなった。普段は先に帰ってしまう上司がたまたま残っていて、僕と部下のふたりに熱燗でもおごるからと誘ってくれた。近くの会社に勤める共通の知り合いもケータイで呼び出して四人で飲みに行った。チェーン店ではない、でも高くない初めて…

もうひとつ底にある悲しみ。

「太陽の塔」では虚勢みたいなもののうしろに常に哀しみがつきまとっていてそれが時に笑いを誘うけど、実はもうひとつ底に本当の悲しみがあってそれが作品に深みを与えている。「美女と竹林」にはでもその悲しみが無かった。私小説としか思えないのにそうで…

冬休みが終わる。

子供の冬休みが今日で終わる。書き初めはやったし文房具等足りないものも今日家人が買い揃えた。苦手の文章題については、冬休み中に家人にも手伝ってもらってワークブックに取り組ませそこそこ成果が上がった。 一昨日は行かなかったが昨日、今日と午後にな…

原稿ができあがる。

昨日も数行書いてほぼ七割に達していた原稿を今日になって書き上げた。午前中会社に行って他の用途のためにすでに書いてあった文章を残りの部分に当てはめると、ほぼぴったりの量に収まった。後は接合部を滑らかにして全体のバランスを見、細かく手を入れて…

墨を擦る。

5日が仕事始めで年始回り。午後4時に帰社した後、でかい仕事をふたつ抱えていたので取りかかり、9時までに全体の半分くらいを片づける。6日も一軒得意先へ行った他は同じ仕事の続き。午後8時頃全部終わる。去年も同じふたつの仕事を片づけたが、確かその前の…

一週間もあるのに。

年末年始の休みが今日まで一週間もあったのに、休みの間に片づけようと思っていたささいなことが終わっていない。ブレザーのボタンが取れかかっている。靴も磨いていない。子供の宿題の書き初めもまだだし、年に一度頼まれて書く原稿にも取りかかっていない…

生きることと考えること。

平野啓一郎著 「かたちだけの愛」 生きている限りはいろんなことを考えなければならないけど、生きることと考えることのどちらが大切かと言うと個人的には生きることの方を優先したい。たとえば愛なら愛を例にとると愛とは何かとひたすらに考え続けると、大…

帰京。

父親のノートPCをプリンターにつながらなければならなかったので、午前中近くの家電量販店に連れて行ってもらってUSBケーブルを購入、ついでにWindows7の入門書も買ってプレゼントする。帰って来てとりあえずプリンターのドライバーをダウンロードしようとす…

妙なふたり。

実家の周辺だと、自転車にも乗らず犬も散歩させずに歩道を歩いている人というのが異様に少ない。たいていの人が移動にはクルマを使っている。近くのしまむらに家人の洋服を見に行って結局子供のチノパンと靴下と、僕のネクタイを一本買った帰り、向かいのス…

新年のご挨拶は控えさせていただきます。

昨年、身内に不幸がございましたので。 朝からおせちでビール。昨年は日本酒も飲んで胃を痛めたのでビールだけにしておく。ほろ酔いでお雑煮。することは何もない。子供は父親と母親に交代で遊んでもらっている。 本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。