指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

あらかじめ失われているもの。

カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳 「わたしを離さないで」 語り手のキャシーの身に自分を置いてみる。するともし自分なら介護人としてのキャリアを延ばして提供者になることをできるだけ先送りしたくなるような気がする。提供者となることは苦痛を伴うことでそ…

鏡。

西村賢太著 「小銭をかぞえる」 「苦役列車」にしろ「きことわ」にしろ気にかかりながらいきなりハードカバーじゃなと二の足を踏んでいた。前者の作者西村賢太さんの文庫版「小銭をかぞえる」は帯に町田康さんの「激烈におもしろい。」というコメントが載っ…

扁桃腺の手術。

家人と子供の帰省先で家人の姉のところの今度小学五年生になる甥が扁桃腺の手術を受けた。手術を受けると少し前に聞いたときにそう言えば自分も小一のときに同じ手術を受けたことを思い出した。何十分かの手術の間泣き叫び通しで医者が反射光で手許を照らす…

参りました。

角田光代著 「八日目の蝉」 「対岸の彼女」が特に好きなタイプの小説ではなかったのでこの作品も会社の人に貸してもらったときにはさして期待してなかったんだけど、結局読んでるうちに泣けて来て読後余韻に浸っていたら家人がやって来て何してんのと尋ねた…

身勝手。

午前8時前のスカイマークの便で家人と子供が帰省した。6時過ぎに家を出て送って行った。新しいキャリー付きバッグはパステルカラーで目立つ。それに車輪が軽くよく動くので扱いやすい。あわただしく家人と子供が金属探知器の向こうへ消えてしまうと、変な言…

部屋の契約更新。

二年に一度、借りている部屋の更新をしなければならないので今日不動産屋へ行って来た。ここに移ってから12年が経とうとしている。ということは結婚12年目ということだ。夏には丸12年になりそのすぐ後で子供は10歳になる。経ってみると月日というのはあっと…

寸止め。

春休みに入ったので家人と子供が明後日帰省する。今日営業先から戻る途中の東京駅でおみやげの東京ばな奈と家人の姉が欲しがっていると言うDEAN&DELUCAの黒いエプロンを買って来るよう頼まれた。ところがうっかりしていて持ち合わせが無く、エプロンを買った…

立ち食いそば屋。

今日は外回りのアポの関係でどうしても昼に家に帰ることができなかったので立ち食いそば屋で昼食をとった。すごくおいしいという訳でもないけど割に立ち食いそば屋に入るのが好きだ。最近ではちょっと食べるとすぐにおなかがいっぱいになるようになったので…

読まない訳に行かない。

三崎亜記著 「鼓笛隊の襲来」 三崎さんの新刊が出ると読まない訳に行かない。さすがにハードカバーは我慢するけど文庫は買う。どうしてなのかは自分でもよくわからないんだけどとりあえず何も考えずに楽しめるというのが大きいかも知れない。確かに「バスジ…

地上デジタル。

夫婦ともパソコンにはそこそこ詳しいけれどテレビの地上デジタル放送のことはまるでわからない。僕はこれまで会社で何人かから地上デジタルはどのようにするのが簡単か、という問いを受けた。全然知らないしうちもまだ地デジになどしてないのでそう答え、ど…

「もののあはれ」とは何か。

橋本治著 「小林秀雄の恵み」 小林秀雄が亡くなった。ほとんど独力でわが国の近代批評の敷石を敷きつめ、その上に華やかな建物をつくり、それをじぶんの手であと片づけして、墓碑まで建て、じゅうぶんの天寿を全うした。(後略) 吉本隆明さんは「追悼私記」…

小さな物語を続ける。

昨日も書いたようにテレビが壊れてしまい、家人は修理することも考えていたらしいがこういうときにはさっぱりと買い換えちゃった方がいいと勧めて子供も連れて買いに行った。壊れたのは二、三年前に買った32型で10万くらいした。ウェブで調べると同じ大きさ…

変に疲れる。

避難なさっている方々とは比べようもないとは思うけどそれでも地震からの一週間は大変疲れた。余震があり停電がある。揺れてないのに揺れてる気がする。福島第一原発の報道も策を講じて駄目、策を講じて駄目の繰り返しで消耗させられる。それでも自衛隊や東…

最後の一冊。

舞城王太郎著 「SPEEDBOY!」 舞城さんの単行本、文庫本で、現在手に入る作品はこれで全部読んだことになると思う。最後の一冊だ。短編連作と言うか、主人公が「成雄」で「楠夏」とか「ハッケン」こと「長谷川」とか何人かのキャラクターが共通しているけど全…

仕事が暇。

営業が外回りをせずしたとしてもどだい店に客が入っていないので大した納品が見込めないため、全体の仕事量が減ってなんとなく暇だ。今日は大規模な停電の可能性があるということで、この時間までに社員のほとんどが帰ってしまった。節電のために会社中が暗…

小説より平易な文体。

町田康著 「スピンク日記」 プードルのスピンクが語り手になっているので文体が小説よりずっと平易だ。小説ばかりかエッセイと比べても平易だ。エッセイはエッセイで不思議とフィクショナルな文体が使われることが多いからだ。だから町田さんをこれから読も…

今さらながら。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)作者:カズオ・イシグロ,土屋 政雄早川書房Amazon 「村上春樹雑文集」でフィッツジェラルドについで読みたくなったのがカズオ・イシグロだった。とりあえずいちばん有名な作品はこれかなと思って図書館で借りた。すごくおもしろ…

三人じゃないと駄目。

福島の原発がどうなるかわからないので、一昨日だったか家人に、子供を連れて実家に戻るように行った。家人はとてもつらそうな表情で、三人一緒じゃなきゃ帰らないと答えた。僕には仕事もあるし両親も関東地方にいるので東京を離れる訳には行かない。でも家…

相変わらずテレビを観ている。

女川原発で福島第一原発からのものと考えられる放射線が計測されたそうだ。約100キロを風に流されて到達したものらしいが、放射線の南下については今のところ何も触れられていない。100キロ北上するのなら同じように100キロ南下しても全然不思議じゃないと思…

当初思ったより深刻に思われる。

テレビを見ていると地震と津波の影響は思ったよりずっと深刻に思われる。画像には人の死は現れないが言葉には現れる。たくさんの方が亡くなったり行方不明になられたりしている。ご遺族の方、行方不明者の捜索に望みをかける方々のご心痛は察するにあまりあ…

地震。

福岡出身の家人は東京に住むようになって地震の多さに驚いたようだけど、ずっと関東地方に住んでいるのでこちらは慣れっこだ。今日の地震のときは会社にいて、どうせすぐ収まるだろうと高をくくっていた。でも揺れは一向に収まらずまるで舟に乗っているみた…

花粉症再発?

仕事上で待ち合わせをしたんだけど、待ち合わせ場所がそこがわかりやすいということで屋外にありしかも周りに高いビルが多くビル風が吹きっさらしだった。待ってる間から涙が止まらず屋内に移ってからもひどいくしゃみでここ数年なりを潜めていた花粉症が再…

前作よりおもしろかった。

誉田哲也著 「武士道セブンティーン」 店頭に文庫版が並んでいたのは知っていたけど前に貸してくれた人がまた貸してくれるんじゃないかと思って買わなかった。案の定その通りになった。 前作「武士道シックスティーン」もすごくおもしろかったけど本作はそれ…

うれしはずかし。

ここ二年ばかり週に一度かせいぜい二度行くだけの喫茶店があるんだけど、ずっと同じものばかりオーダーしていたせいか顔を憶えてもらったらしく、この前レジの前に立ったらいつも頼む品名が店の人の口から先に出て来た。驚いたけど照れ笑いをしながら、それ…

ごめんね、じゃねーよ。

起きたときには37度台ちょっとだった子供の熱だが、夕方になってまた38度を越えたので三たび病院に連れて行くと家人からメールがあった。診断の結果はインフルエンザのB型。土曜日にインフルエンザの検査をしてくれていたらと思わずにはいられない。リレンザ…

インフルエンザじゃないの?

一昨日学校から帰った子供が遊びに行く前に、ちょっとだるいからということで熱を計ってみたら37度ちょっとあったそうだ。クラスでも何人かは休んでいるということでついにインフルエンザかと思って病院に連れて行くとそういう初期ではインフルエンザの検査…

物語が降りて来る、という奇跡。

絲山秋子著 「末裔」 菊地信義さんの装幀が美しい。 サイト上の絲山さんの日記を拝見すると作品のための取材中や執筆中に「下りて来る」ことがあると何度か書かれている。もちろんそれは喩えであって、考えに考えた末にふっと今まで見えていなかったラインと…

なじみの売り子とその客。

このブログを読みに来て下さる方の中でプロ野球の観戦をなさったことのある方がどれくらいいらっしゃるかわからないけど、あれは席に座っていると売り子の女の子が食べ物とか飲み物とかを売りに来るようになっている。たいていはゆったりしたTシャツにショー…

憂い顔のタカハシさん。

高橋源一郎著 「さよなら、ニッポン ニッポンの小説2」 前半で割と大きく取り上げられた小島信夫さんの「残光」、綿矢りささんの「夢を与える」と先行する作品、川上弘美さんの「真鶴」は読んでいた。また中原昌也さんのものも。でも読んていたからと言って…

代休。

疲れが取れないし代休もかなり貯まっているので今日は会社を休んだ。家人と池袋に行ってハンズで春休みの家人と子供の帰省に使うキャリー付きケースを買い、子供のバレンタインデイのお返しを選んだけどこれは子供の意見も必要なので見るだけにした。ブック…