指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

3月のまとめ。

繰り返しになるのでたたみます。

ひとり暮らし。

家人と子供が家人の実家に帰省して丸一週間になる。これまでそういうとき食事はたいてい外食で済ませて来たんだけど、最近休みの日は近くのスーパーマーケットへ買い物に行く家人について行くようになりそうしてみると自分の家の暮らしにどんなものが必要か…

等身大のフィクション。

保坂和志著 「季節の記憶」 これまで読んだ保坂さんの作品ではいちばん実体と言うか、存在感と言うか、そういうものが感じられた。鎌倉という場所の地勢が詳述されているのがその理由かも知れない。あるいはそこをめぐる季節の感じのせいかも知れない。登場…

春のセンバツ、高崎高校は三日越しで、結局負ける。

ピッチャーの島田君は、大量失点した四回裏以降も結構いいピッチングをしていてこういうピッチングが九イニングできれば勝てるんだろうなと思った。あと、九回表の振り逃げがふたつというのもとても珍しいんじゃないだろうか。もひとつ、メンバー達の間に悲…

ほっしゃん。さんに一票。

沼田まほかる著 「彼女がその名を知らない鳥たち」 初まほかる。ジャンルはミステリーだと思うけど文体はもう少し複雑で重い感じがする。たとえば最近(でもないけど、まあいちばん近く)読んだ角田光代さんの「八日目の蝉」とか湊かなえさんの「告白」とか…

ノーゲーム。

第二試合も雹が降ったりしてかなり大変だったけど、第三試合は三回の裏の途中で雨のために中断となり、そのままノーゲームということで仕切り直しで明日の第四試合に回された。いろいろデータを比較すると母校が勝つのは割と難しそうだけどとりあえず明日の…

雨天順延。

雨のために今日の試合は順延になり会社早退するのもやめにした。話題の沼田まほかるさんの本が手に入ったので読み始める。

だからどうしたんだ。

保坂和志著 「この人の閾」 表題作の他に三編を収録。ちょっと寝不足なせいもあったかも知れないけど途中退屈してしまい申し訳ありません。表題作はまだよかったんだけど、全体的になんて言うか、だからどうしたんだ、って感じで、後の作品に比べて生硬な感…

31年ぶり。

前にも書いたけど自分が在学中に母校が野球で春の甲子園に出たことがある。試合の前の晩学校に集まってチャーターした何台かのバスに分乗して応援に行った。相手は星陵高校で11対1で負けた。帰りのバスのことはまるで憶えていない。 それから31年経ってまた…

希薄さへの入り口としてのさいたま新都心。

吉田修一著 「ランドマーク」 かなり乱暴な言い方だと思うけど、読んでる最中、主人公はさいたま新都心という場所そのものなんじゃないかという気が何度かした。クルマを使ってか歩いてかはわからないけど(その両方でも構わないんだけど。)、作者がその場…

吉本隆明さんへの、高橋源一郎さんの追悼文。

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朝日新聞に掲載されたのが、下記で読めます。うちは朝日じゃないので、ここで初めて読むことができました。 http://togetter.com/li/275611 「吉本さんが亡くなり、ぼくたちは、ほんとうにひとりになったのだ。」さすがは高橋さん。本当にその通りだ。僕はも…

渋谷パルコのガンプラボックスアート展に行く。

子供が最近ガンプラをつくるようになったので行って来た。昔のガンプラの箱に描いてある絵の原画展で、重箱の隅と言えばかなりな重箱の隅加減だ。企画のいちばんの狙いはその複製画を販売することのように思われるが、ちょっとそれを買うまでの思い入れは無…

小説らしい小説と、そうでない小説。

保坂和志著 「生きる歓び」 表題作ももう一遍の「小実昌さんのこと」もなんとなくいわゆる「小説」っぽくない。どこがと言われると困るんだけどわざわざ「小説」と言わなくてもいいような気がする。でも「あとがき」で作者はどちらも「明快に小説なのだ。」…

フォーマットの決まった生活。

保坂和志著 「草の上の朝食」 会社員だけどかなり適当な働き方しかしていないから平日の昼間でも割に時間が自由になる。土日は一日競馬場で過ごす。課されたものの数がとても少ない日課はでも結構きちんとこなす。つまりそういう言い方をするなら、生活のフ…

ムーミンってこんなに人気なんだ。

家人のリクエストで銀座三越までムーミンの期間限定ショップを見に行く。少し前には錦糸町駅近くのショップにも、ラクーアのショップにも行ったけど三越の物量はものすごくてお客さんも雨の午前中というのにたくさんいて、ムーミンってこんなに人気なんだと…

何を読み返したらいいか。

吉本隆明著 「夏目漱石を読む」 何を読み返したらいいか考えた。それで吉本さんの講演を一度だけ聴きに行ったことがあるのを思いだした。紀伊國屋ホールで漱石についての講演だった。「門」が取り上げられていたのをよく憶えている。もう十年近く前にこの本…

吉本隆明さんが亡くなった。

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すぐに、高橋源一郎さんはなんと言ってるんだろうと思ってツイッターを拝見しに行った。高橋さんは今日付で、「ほんとうにありがとうございました。さようなら。」とだけ書いていらっしゃる。吉本さんのことのような気がする。だとしたらこの言葉はとても適…

駄目だ。

中原昌也著 「待望の短編集は忘却の彼方に」 中原さんの作品はこれで何冊目だろう。行けそうな気もするけどいつも結局駄目だ。なんて言うかこう隠れた角度みたいなのがわかると行けそうに思うんだけど。

猫好きの倫理。

保坂和志著 「猫に時間の流れる」 保坂さんの作品はこれまで「プレーンソング」しか読んでいないと思う。今調べてみたら、町田康さんの「くっすん大黒」の文庫版解説を保坂さんが書かれているのを読んでものすごく感激したことをここに書いているけど、「プ…

小説なんて書けない。

保坂和志著 「書きあぐねている人のための小説入門」 (前略) 小説になる困難さを抱えた小説だけが、小説として書く領土を広げることができる。 (後略) この本から受け取ったことの一番大切に思われることを挙げるとしたらここになる。吉本隆明さんの本に…

スピードに乗らない。

古川日出男著 「ゴッドスター」 あとがきとは書いてないけどあとがきみたいな位置にある文章の中にこうある。 (前略) この作品には読解は要らない。身をゆだねてほしいと思う。 (後略) 読解より身をゆだねる方が難しいと言うか、なんて言うか生理的に気…

二年ぶりかな。

幼稚園の頃に子供に手紙をくれたことのある元同級生の女の子を近くのスーパーマーケットで見かけた。二年ぶりくらいかな。すっかり背が高くなっていた。こちらは家人とふたりで買い物に行っていて彼女はお母さんと一緒だった。お母さんがこちらに気づいたの…

いやな女の子なんてひとりもいない。

吉田修一著 「女たちは二度遊ぶ」 十一編のそれぞれに女の子が一人ずつ登場する。よく考えるといやな子なんてひとりもいない。中にはなんらかの問題を抱えてる子もいるけど、それでも彼女たちは誰ひとりいやな感じのする像を結ばない。作者がひとりひとりを…

感想書く暇が無い。

うーん、一年経ちましたね、東日本大震災。読売新聞に載っていた鬼怒鳴門(ドナルド・キーン)さんのコメントがいたく心に沁みた。 昨年の今日以降はとにかく、日常生活を維持して続けて行くことが大事だと思いなして、何か祈りのような気持ちでこれまでと同…

何度もとらえ直す。

長嶋有著 「パラレル」 著者初の長編小説ということで、なんて言うかこの作者特有の人を食ったような余裕が窺えなかった。いっぱいいっぱいとまでは言わないけど今この作者を特徴づけている(と僕が勝手に思っている)個性みたいなものが希薄な気がした。た…

こぼれるもの。

山崎ナオコーラ著 「ここに消えない会話がある」 「カツラ美容室別室」を読んだときにも思ったんだけど、山崎さんは物語に排除されてしまう言葉や時間に敏感でそれらの大切さをとても強調したいんだなあと思うことがある。それを作品に仕立てることは、力を…

いつか子供が読む日まで。

「はじめての文学 村上春樹」 こういう本があることは知っていたけどおそらくいずれも読んだことのある作品ばかりが収録されているんだろうと思って、特に読もうと思ってなかった。それがブックオフで手に取ったときに著者自身による解説があることを知りそ…

花粉症来たかも。

昨夜は寝たのが午前2時半と、何年ぶりというくらいに遅かった。おかげで一日中眠かったし、花粉のせいか目がかゆくもあった。寝不足は花粉症の敵だというのが個人的な経験則だ。子供は給食の牛乳をおかわりしたらお腹が痛くなったそうだ。でも夜までにはすっ…

幸せってなんだ。

橋本治著 「つばめの来る日」 随分以前のことになるけど音楽番組のインタビューでどこかのバンドのメンバーが「バンドの醍醐味」みたいなことを言っていたのを聞いたことがある。つまり年季の入ったバンドにはバンドならではの一体感と言うか、ノリと言うか…

読書メーターを始めてみた。

今月は毎日一冊のペースで本を読んでるので、一ヶ月それが続けられたらどのくらい読めるんだろうと思って読書メーターを始めた。でも感想はここにしか書きません。