指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

国立の抽選に落ちた。

国立の第一回抽選に落ちた。186人の志願者がいて今日は51人が抽選に通った。最終的には15人ほどが入園できるらしい。抽選はすごく厳粛な雰囲気の中で行われた。公正を期すために父兄の中から二人が壇上に上がって抽選の過程を監視し、いかに公正な抽選が行われているかが周到にアナウンスされた。福引きのがらがらみたいな道具(何て言うんだ、あれ?)に1から100までの数字が書かれた玉が計100個入れられ、出た数字の番号とそれに百を足した番号の人が当選するという仕組みだ。1が出れば1番と101番の二人が当選、87から100までの数字が出た場合は百を足すと志願者数を上回ってしまうのでその数字と同じ番号の一人が当選になる。この抽選の過程を見ているのはほんとに息詰まる体験だった。こういう体験は生まれて初めてのような気がする。こみ上げてくる思いをちょっと引いて考えることで解体し続けねばならない。疲れると言えば結構疲れる。
抽選終了後家人に電話したがひどく残念そうだった。抽選に立ち会っていた僕はそれなりのリアリティーを受け取って帰ってきた訳だが、家人にしてみればそんな過程を抜きにして結果だけを受け入れねばならない訳だからこれは当然のように思われる。細部をいろいろ話して聞かせることによってうまくそのリアリティーを伝えてやりたい気がする。
当の子供は分かれ道のひとつがふさがったことに関して特に自覚はないだろう。そう考えると不思議な気もするし、その無邪気さがほほえましいような気もする。