- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/02/20
- メディア: 単行本
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他者の死をいくつかの断片に切り分けてその中のひとつの部分を強調し、死でないのに死よりも残酷な事態をつくりあげて見せた。あえて言えばそこがこの作品の眼目だと思う。あえて言えば、と言うのは、そんなことより作者の中の文体を変えたい思いの方がずっと強いように思われるからだ。どういう結果になろうとも作者はこの文体で一作書きおおせたかった。作者の筆の迷いのなさはそういう強い意志を感じさせる。
僕は「ラス・マンチャス通信」がとても好きだけど、作者の思いもちょっとだけ想像できる。だから「忘れないと誓ったぼくがいた」での試みも割と納得できる気がした。とりあえず、売れるといいと思う。