指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

期待してなかった。

じっくりおまめさん

じっくりおまめさん

ブレンディーのCMで少し前にこの絵本が出て来た。子供が大変気に入って、CMが流れる度この本が欲しいと言っていたが、当時は架空の作品と思われた。それが一昨年現実に出版されていた。今年に入るまで知らなかったが知り合いに教えられた。
子供に尋ねてみるとしかしすでにそのことを忘れていた。先週の土曜日に東京駅のトミカショップへ行った際、とりあえず現物を見せたら思い出すかも知れないと思い丸善に連れて行ってこの本を探した。店で検索すると残部僅少とあったが、棚まで探しに行ったら一冊だけ見つかった。子供に見せると思い出したようだったが、どうやら立ち読みしていた「ぐんぐんはしれちゅうおうせん」の方がずっと気にかかる様子だった。それで二冊を買って帰った。
帰って来るなり「ぐんぐんはしれちゅうおうせん」を開いて読み始めたが、「じっくりおまめさん」も家人に自慢したところを見るとある程度はうれしかったらしい。成り行き上急ごしらえの作品に思えあまり期待していなかった。でも読んでみるとこれはなかなかいい本だった。僕も結構たくさん絵本を読んで来たけど、その中でもかなり上位に入る出来だ。お話もほのぼのとしていてよく出来ているし、イラストもキャラがきちんと立っていてかわいらしい。知っていたら毎年頼まれる昨年の絵本ランキングみたいなアンケートに挙げるんだった。残念なことをした。
CMから生まれた絵本という成り立ち方は、この作品にとって幸運なようでいて、案外逆だったのではないかという気もする。それくらいいい意味で期待を裏切られた。