指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

父兄と遊ぶ日。

仕事が忙しく体調も今ひとつすっきりせずいくらでも眠れる。幼稚園がある日は午前7時に起きるが休みの日は9時まで寝ている。休みでも子供は7時前に目を覚ますので家人は寝坊ができない。ちょっと申し訳ない。
今日は土曜日で休みのはずだったが幼稚園で父兄と遊ぶというイベントがあり、きつかったけど7時半には起きて用意して出かけた。子供たちの歌を聴いたり一緒に踊ったりゲームをしたりした。同じ組のお友だちは一年でみな本当に大きくなった。よかった。素直にそう思えて、その気持ちの出所にちょっと戸惑った。
朝子供を送って行く他は特に幼稚園の活動に積極的に参加している訳ではない。集団活動は苦手だし社交性もない。早い話が親御さんとはつき合わずに自分の子供は幼稚園の中でそこそこうまくやって行ければいい、という虫の良い考えだということになる。この点では意外と社交的な面を見せて楽しそうですらある家人と対照をなしている。
でも子供はかわいい。これは自分の子供だけでなく多少なりとも見知っている子供ならかわいいということだ。この点だけではホールデン・コールフィールド君と和解してもいいと思っている。僕だってライ麦畑のキャッチャーになりたい。
このライ麦畑のキャッチャー的感慨が子供たちの成長を僕に喜ばせている。それは物語でありだから物語に取り込まれない他の組の子供たちは混沌に属するし、混沌に喜ぶことはできない。その混沌をさらに物語化するのもいいが、現状のままでも一気にもっと普遍的な方へ行く道筋もあるような気がする。ホールデン君がそのことを教えてくれている。