指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

嘘から、嘘へ。

7月24日通り (新潮文庫)

7月24日通り (新潮文庫)

何が何やらわからないほど忙しくていろいろとほったらかしにしている仕事とかあり、それを考えると焦りに似たいやな思いが胸のあたりに広がるが、考えても仕方ないので考えないようにしている。そのうちツケが回ってくるだろうがそれまでは何も起こらないだろう。
今週はMXTVの円谷劇場「ウルトラセブン」が最終回を迎えた。次は何だろう、順当に行けば「帰ってきたウルトラマン」だけど意外と「ミラーマン」とかだったりしてと思っていたら本当に来週から「ミラーマン」が始まる。まあ別に某元教授とは何の関係もないと思うけど。
それで「7月24日通り」だけど、ひとつの嘘から別の嘘へと乗り換えるお話のように思えた。ありきたりなお話ならひとつの嘘が破れて本当が現れる。あるいは本当が現れて嘘を打ち破る。どちらにしても嘘と本当の落差にカタルシスがある。でも「7月24日通り」は嘘が打ち破られても別の嘘が現れるだけだ。本当のような顔をしているがよく見るとそれは本当ではなくもうひとつの嘘に過ぎない。その嘘から嘘へという展開が意外と新鮮な印象を残す。あるいはこの世には本当なんてものはなく本当みたいな嘘があるだけなんだというところまで言われているのかも知れない。
映画ではどうなっているんだろうとちょっと気になるけど、最近自分は映画に向いていないのではないかと思っていてわざわざ借りて来てまで見る気がしない。
何となく元気がないが、これでも一時から比べるとだいぶマシになっている。