- 作者: 吉本隆明
- 出版社/メーカー: ロッキングオン
- 発売日: 2007/06/30
- メディア: 単行本
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でもやはり初期の詩集から「言語にとって美とはなにか」、「共同幻想論」、「心的現象論序説」くらいまではつながりを仮定できる気はしていた。本書では初期詩集から「言語美」までの間のさらに四作品が取り上げられていて、その都度その都度の吉本さんの関心のありかとその根拠を伺うことができる。と書くと今までにもそういうモチーフで編まれた本があってもよさそうなのだが、僕が読んだ中では初めての試みですごく新鮮だった。インタビュアーがロッキング・オンの渋谷陽一氏で、吉本さんの本を熱心に読んで来ながらも基本的には門外漢だという姿勢を貫いているのもうまく行っている気がする。ちょっと崇拝の度が過ぎるきらいはあるとしても。
入門書としてもいいような気がするけど何しろ古い本ばかりが取り上げられているのでそこが鼻についてしまうと逆効果かも知れない。このインタビューの連載は現在も続いているということなので、それが新たな一冊にまとめられるのが今から楽しみだ。