指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

また風邪を引いた。

一昨日お昼頃から喉が痛くなり始めた。市販の風邪薬を飲んで寝たが時すでに遅く昨日の朝起きると熱っぽくて喉の痛みも本格化していた。唇には熱の花までできていた。体温を測ると36度8分だった。もともと平熱が35度台の半ばくらいと低いので6度台の後半に入ると結構きつい。朝食をとった後ベッドに横になっているとものすごい悪寒がおそってきた。毛布と布団を重ねて縮こまりやり過ごすと数十分経って今度は暑くなってきた。悪寒は熱が上がる過程で起こり熱が上がりきると暑くなると経験上思っている。だから熱が上がりきったのだろうと思って測ったら7度8分になっていた。それで子供を幼稚園に送って行くのは諦めた。ついでに出社も諦めて寝ることにした。十時過ぎに会社に電話して休む旨伝えた。
ところがどうしても行かねばならない得意先があることを思い出した。午後四時、川崎でだ。それさえなければこのまま寝ていてもいいがそれがあるので何とか状況を打開しなければならない。一日寝ていたかったが医者へ行くことにした。十一時頃家を出た。
医者ではいきなりインフルエンザを疑われた。検査しとこうかと医者に言われればいやとも言えない。タミフルの制限時間内だし。今年から出回る新しい検査法なんだ、うちで使うのは初めてなんだよと医者は楽しそうに器具の用意を始める。光栄です、と仕方なく答えた。それは先に小さな脱脂綿のかたまりのついたよくしなる糸のように細い棒で、鼻から入れて結構奥まで届かせ粘膜の一部をとる。それを専用の液につけ十分ほどで陽性か陰性かがわかるそうだ。簡易型の検査法なのかも知れないが今年の春先子供に施されたインフルエンザ判定に比べると桁違いに楽だった。まあ子供と大人でも違うのかも知れない。
結果は陰性で風邪薬が処方された。昼食後に薬を飲みええいままよと外回りに出た。それほどつらくなかった。つか処方された薬の中に風邪薬の強さを緩和するための胃腸薬が入っているせいかとにかくおなかが空く。川崎には予定の二十分前に着いたので時間調整かたがた立ち食いそばを食べた。外で間食するというのは憶えている限り初めてだ。かき揚げと生玉子をのせてもらった。
家に帰ると今日の夕食はかき揚げと生玉子ののったそばだと知らされた。すごく間の悪い話だともとれるし、自分の食べたいものが家人にはわかっていたのかな、ともとれる。まあ後者ととっておきたい。