指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

7歳になる前に。

子供が7歳になった。プレゼントは何がいいかと尋ねると、デジカメが欲しいと言う。電車の写真を撮ったり、ブロックでつくったロボットやら何やらを撮ったりしたいらしい。それはなかなかいい趣味のように思われたので、買ってやることにした。画素数とかにこだわらなければ値段もそれほど高くない。
それで家人と三人で池袋へ行き、一万円ちょっとのやつがあればいいなと思いながらビックカメラを見ると、あっさり見つかった。Nikonの「Coolpix L16」。1GBのカードとエネループを二本つけても1万円台の後半だった。初めてデジカメを買ったときは32万画素で確か4〜5万したと思うけど、そんなのもうおもちゃですらない。
家人の両親から誕生日プレゼント用のお金をもらって来ていたので、それでまた別のおもちゃをひとつ買い、うちの両親からもらった分は貯金に回すことにして、プレゼントの調達は終わった。
食事をして帰ろうとどこがいいか尋ねるとキリンシティーに行きたいと答える。親に気をつかっているのかと一瞬思ったけど、さすがにそこまでのわきまえは無さそうに思われた。おおかた以前三人で行ったときの親のゆったりした雰囲気が伝わって、そこを好ましい場所として憶えているとかそんなところじゃないかという気がした。おなかいっぱいになるまでいろいろ食べた。西武でバースデイ・ケーキを買って帰って来た。
いつもは日曜日に行くプールに、日曜日は誕生日なので一日ずらして昨日行った。学校の水泳検定でクロールでの25メートルをクリアしたので、次は平泳ぎで25メートル、その次はどちらかで50メートルでそれぞれ進級する。平泳ぎを教えたが、これはまだまだ形になりそうになかった。それで簡単なターンを教えたら難なく25メートルを往復して帰って来た。7歳になる前に50メートル泳げたことになる。そんなの6歳でも7歳でも変わらないじゃん、と思うでしょ?でもそこに親としてのこだわりがあるのだ。
日差しは強いものの日陰の空気にはさっぱりとした秋の気配が感じられた。七年前の今日も、まるで同じように感じていたことを思い出した。