指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

やっと休み。

日曜日の夕方に出張から帰り強制的に日本時間に慣れた方がいいと思って月曜日から出社した。夜は眠気が差してくるまで酒を飲んで深酒になってしまったりしたけどそれも仕方ないと自分に許した。昼間歩いているときはまだいいとしても信号待ちなどで直立していると、わずかに体が前後に揺れているような気がした。寝不足とも疲労とも違う感じでそれが自分にとっての時差ぼけということになると思われた。現地では緊張するし使命感もあるし早い話が非日常の暮らしなので体の具合がどうこうとは正直言っていられない。体もそのリアリティーに無意識に着いて行っていると考えてよいが、そのまま東京での日常に飛び込むと現地で無理をしていた分、体が苦情を言い始めるのをそりゃ無理もないよ、と肯ってやるしか方法は無い。四日間外回りも来客の応対も他の仕事も普通にこなして金曜日の今日、休みをもらった。
とは言え子供は普通に学校に行くので寝坊もしていられない。とりあえず起き出して支度をし、家人と連れだって駅前で朝食をとってから池袋に出て買い物をした。ジュンク堂東急ハンズとロフトとリブロへ行った。バスで帰ろうと思ったらものすごい吹き降りで十分ほど待つ間に膝くらいまでびっしょりになった。ただ気温がこの時期にしては高く寒くはなかったので、家人が前から行きたいと思っていたらしいフレンチの昼食を食べに行った。前菜は別々のものを頼んで半分ずつ食べた。メインは家人がうずらを食べたいと言い、僕はうずらが食べられないのでメダイを選んで別々に食べた。住宅街にある静かでこぢんまりとした店で多少くだけ過ぎの感もないではなかったけど、あまりぴしっとした店よりはリラックスできた。前菜もメインもパンもデザートもおいしかった。プレミアムモルツさえおいしく感じられた。ワインも飲めばよかったな。
帰りに子供の小学校へ行き、玄関の奥に張り出されている、運動会のときのおびただしい数の写真の中から、子供の映っているものをふたりで選んで番号を控えた。と言っても僕は子供の姿をひとつも見つけ出すことができなかった。父親としては結構長時間子供に接している方だと思うけど、母親はやはり何枚かうわてだ。
家人とふたりで出かけることが僕は本当に好きだ。行き先は別にどこでも構わない。ただしアルコール分は欠かせない。