指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

野生のバーセルミ。

あらゆる場所に花束が… (新潮文庫)

あらゆる場所に花束が… (新潮文庫)

この前読んだ本の中で高橋源一郎さんは中原昌也さんのことを「野生のバーセルミ」と呼んでいた。ドナルド・バーセルミは「死父」も「雪白姫」も若い頃に読んだけど、こりゃかなわねえ全然わかんねえという印象しか残っていない。バーセルミほどではないけど方向としては同じ作家にリチャード・ブローティガンがいるけどそれはここでは余談だ。中原昌也さんをうまく媒介にしてバーセルミをもう少し深く読めるようになりたいという気がしている。
中原昌也さんの作品を読む三冊目だったけど、今更ながら気づいたのは二点。ひとつはすごくステレオタイプな言葉が使われていてそれが雑な印象を与える個所があること。もうひとつはフィクションを語るレベルに開いた破れ目みたいなものから作者のなまの声が聞こえるような気がすることがあることだ。だからなんなんだと言うと、とりあえずそこまでしか言えることがない。全然駄目なのでもう少し考えなきゃ。すいません。