指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

誰なんだ、この人?

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

おお、1972年に発行された本なのに書影がある!
読みながら何度も、このジョージ・オーウェルって誰なんだ?と思った。何が専門で何をしている人なんだ?なんでこんなにおもしろい小説が書けるんだ?「1984年」というタイトルとその作者としてのオーウェルという名前はまあ知っていたけど、すごくおもしろいから読めとは誰からも勧められたことがなかった。どんな本からも勧められたことがなかった。いや、それはただ単に勧められても聞き流していただけのことなのかも知れない。村上春樹さんの近刊のタイトルが「1Q84」でなかったら読まなかったに違いない。だとしたらすごくもったいないことをしてたね。まあ読まなかったとしたらもったいないってことにも気づかなかった訳だけど。
未読の方に僭越ながらひとつだけアドバイス。この本が出たのが何年のことだったか予めご存じの方がいいです。作品の中ではその年以前はある程度歴史に沿っており、それ以降は偽史になっているので、偽史がどのあたりから始まっているか頭に置いておくとよりリアルに楽しめるんじゃないかと思います。ただし、村上さんの近刊との関連性は未確認です。