- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 単行本
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すごく集中的に読んだせいかこの三日間、物語と現実(と、便宜的に呼ばれるもの)の間にきれいに引き裂かれた生活を送ることになった。現実の中に物語が含み込まれているという見方ではなく、現実と物語とを対立するものと見なす視点に立てば前にも書いたように常に現実を優先させたい。具体的に言えば家人や子供の相手をすることを、本を読むことよりも常に上位に置くことを個人的な原則にしている。でもこの三日は家人に頼んでできる限り村上さんの新作を読むことを優先させてもらった。そんなことをはっきり頼んだのは結婚して初めてだ。そして小説を読むとはこういうことだと深く得心が行くような濃密な時間を過ごすことができた。今の暮らしの中では誰かの協力と少しの犠牲が無ければ成り立たないことで、家人には感謝している。
そして自分は村上春樹さんの小説が本当に好きなんだな、と改めて思った。