指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ここのところ。

会社の決算が昨日で、年間予算の帳尻を合わせるためにいろいろと心を砕かなければならなかった。また次の期の予算も組んでおく必要があった。月末にイベントがあり、その用意と三日間会社を訪れて下さった方々の対応、その後はイベント中に依頼された様々な情報提供を形にするためにこの前の土日も一部つぶした。要するにひどく忙しく過ごしていたことになる。
子供とは二度東京ドームでナイトゲームを観た。一度は土曜日の巨人対ロッテ戦で巨人が勝った。もう一度は翌週金曜の巨人対ヤクルト戦でこれも巨人が勝った。巨人が勝つと試合後にジャビット君が外野のグラウンドで宙返りを披露する。客の半数以上が帰った後、一部ライトが落とされるまで席に残りその姿を眺めた。オレンジタオルを振る作法も心得たけど、子供と違って僕はどちらかと言えば巨人は好きではないので、子供の気持ちに水を差さない程度につつましく振るに留めた。
以上のすべてを月末までに済ませてしまうと、もはや力尽きた感があった。イベントで立ち続けだったせいでふくらはぎと腰が痛み家人に随分マッサージしてもらったけどそれは今も治らない。ストレスのせいか体重はむしろ増え、いつもより体が重い気がする。夕方になるとなんだか息が切れる。それで新しい期の始まる今日は勝手を言って休みをもらった。普段なら休みをとると家人と出かけるんだけど今日はそれもちょっと難しそうで、駅前のカフェで一緒に朝食をとった後は家人は最近通い始めたプールに出かけ、僕は床屋に行って髪を切ってもらった。お昼に落ち合ったが外で食事するのも気が向かないので家に帰って昼食をとった。子供が下校して来ると家人が児童館へ連れて行き、その後はふたりで寝転がって本を読んだり昼寝したりとだらだら過ごした。家人は栗本薫さんの訃報以来、グイン・サーガを図書館で借りて来ては一冊ずつ読んでいる。
疲れはとれたか?わからない。とりあえず明日は新規の、うちの規模から言うとものすごく大きな得意先との新しい企画のために、社長と上司と三人でミーティングに出かけることになっている。
この間あまり本も読めなかったがひと言ずつだけでも備忘かたがた書き留めておく。

吉本隆明 全マンガ論―表現としてのマンガ・アニメ

吉本隆明 全マンガ論―表現としてのマンガ・アニメ

吉本さんのマンガやアニメに関する論考や講演録や対談録を集めて一冊にした本。大塚英志さんとの対談集「だいたいでいいじゃない。」や「ハイ・イメージ論」などに収められたコンテンツも再録されている。一番新しいものでも十年くらいは前の言葉なので、そういう意味では現在的な問題は入っていないかも知れない。萩尾望都さんとの対談は初めて読んだけどおもしろかった。「ハイ・イメージ論」の論考は半分くらいしか噛み切れなくて残りは丸飲みにした。
飆風 (文春文庫)

飆風 (文春文庫)

作者の結婚生活と病気とを中心に描かれた私小説集。作者一流の生活倫理に磨きがかかりそら恐ろしいものになっている気がする。でもとにかくおもしろい。
ハル、ハル、ハル

ハル、ハル、ハル

これは「ベルカ、吠えないのか?」より後に書かれたものだろうか。未確認だけど、物語のリアリティーのつくり方になんかすごい転回があったような気がした。一作目の幼い兄弟のやりとりには心が痛んだ。
誕生日の子どもたち (文春文庫)

誕生日の子どもたち (文春文庫)

ホリー・ゴライトリーのプロトタイプが何人かいるような気がしたけど気のせいだろうか。誰にでも思い当たるところのあるノスタルジーと良質のセンチメンタリズムに彩られたしっかりした短編集。ここから「冷血」へと至る道筋がにわかには想像できない。
岳物語 (集英社文庫)

岳物語 (集英社文庫)

男の子ができたら読めば必ず感じるところがあるはず、と随分以前に知り合いから勧められた作品。でも父と子の関わりが結構あっさりしていてあまり共感しなかった。子供というのはもっと嫌な面を持っているし、父と子はもっとどろどろしているというのが個人的な実感だ。そういうものがきれいに削り取られている分、一般的には受け入れやすくなったが本音が書かれていない印象が残った。一作目とか、明らかに岳君の友だちのお母さんのなまめかしさが一番のテーマだし。