指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

結局泣きました。

トイ・ストーリー3 [DVD]
うちでは子供がいちばん好きなこともあって「モンスターズ・インク」がピクサーの最もいい作品ということで話が一致してるんだけど、そういうのってそれほどどこでも通用する言い分ではないかも知れない。僕は見ていないんだけど、家人があまり評価しない「Mr.インクレディブル」を結構いいという意見を聞くし、これも見てないんだけど「カーズ」を何百回も見たという人も知っている。
でも物語の展開とか細部とかをつけ合わせて比べてみれば、本当はどれがいちばん優れているかということは言えそうな気もして来る。それほど複雑な物語ではないし、情緒の微妙さよりも強さの方が優先されている。そして情緒の強さを比べることは微妙さを比べることよりはるかに容易に思われるからだ。そこへ行くとこの「トイ・ストーリー3」はかなり上質な部類に入ると思う。おもちゃと持ち主の関係をおもちゃの視点から描くというのは過去二作でも同じだったが、今回は持ち主が大人になっておもちゃたちから関心が薄れるという過程が含まれている。これは誰にでも憶えのある必然的な過程だ。この必然を持ち主とおもちゃの双方がどのように受け入れて行くのかは、それだけ取ってもとても興味深いテーマだと言えた。
今日は朝から三人でこれを見ようと決めていて、家人はポップコーンをつくってポテチと一緒に盛りつけ、ひとりひとりが好きなドリンクを注いで、なんとなく映画館っぽい感じにして見た。テーマに手を引かれ、細部の作り込みに笑わされたり感心させられたりしながら、結局最後は泣いた。個人的にはシリーズ三作の中でこれがいちばんいいと思った。まあ泣いたということではどれでも泣いてるんだけどね。