指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

参りました。

八日目の蝉 (中公文庫) 角田光代著 「八日目の蝉」
対岸の彼女」が特に好きなタイプの小説ではなかったのでこの作品も会社の人に貸してもらったときにはさして期待してなかったんだけど、結局読んでるうちに泣けて来て読後余韻に浸っていたら家人がやって来て何してんのと尋ねた。余韻に浸ってんだけどと答えると何読んでたのと言うのでよかったら読んだら、と手渡した。実は借りている本を汚してしまってこっそり新しいのを買って返したので、読んでいたのはこっそり自分の本で、だから家人に貸せた訳だ。
参りました。ただしずっと不可解なままでいる母と娘の確執が、この作品では普遍的なものとしてではなく各々のパーソナリティーによっているもののように読める気がした。もしかしたらそこは突き詰め方が甘いかもと言えば言えそうに思われるけど、まあ相変わらずよくわからない。それと男が揃いも揃ってろくでなしばかりだ。男の本質がろくでなしであることは確かかも知れないけど。そのことを深く思い知らされる本を次に読むことになる。