指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

家人が読む、町田康さんの本。

猫とあほんだら 町田康著 「猫とあほんだら」
猫のあしあと」以来家人が首を長くして待っていた本。書店で見つけて買う前にメールで知らせてやったら大層喜んでいた。今回は今までとちょっと趣向が変わっていて、猫との日常と言うよりあるできごとの推移が基本的なラインをつくっている。それは町田さんの家探しと転居だ。

(前略)
 小説家というのは思いついたことを必ず形にしたいし、形にできる、と思いこんでいる人種である。
(後略)

自宅にいる四匹の猫と訳あって仕事場にいる六匹の猫を抱えて転居を形にする苦労。立ちふさがる困難。解決すべき課題の数々。すごい。でも特に奥様との会話とかところどころで笑わせられる。確かに奥様の猫好きは相当なもので猫への気遣いとか本当に情愛あふれるものだけど、町田さんもまた相当なものだと思う。
それから引用部から次のページにかけて町田さんの創作法のキモとも言えることが書いてあって、個人的になるほどー、っと深く思った。「どつぼ超然」とか「人間小唄」とかそういう風に書かれたんだな。他にもあるかも知れないけど。