指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

過日。

生まれてこの方うふうふガール(こちらをご参照下さい。)であるところの家人は日々独自のうふうふ道を貫いているが、うふうふばかりでなくガールの部分にも積極的な意味を持たせようと言うのか、よせばいいのにいつまで経っても乙女なのであり、がためにさるママ友から旦那にお姫様だっこされているという謂われの無い嫌疑をかけられても、一向意に介する気配すらない。その乙女度の高さを証明するかのように家人はまたどこへ行っても手をつなぎたガールであり、これが自宅から遠隔の地、すなわち池袋、渋谷、吉祥寺といったところでならまあまあつなぐにやぶさかではないが、目と鼻の先の公園を散歩する際にも手をつながれた日には先のママ友ならずとも誰の目にとまるかわからず、目にとまるだけならまだしも正面から出くわしでもしたらさぞかしばつの悪いことだろうと思うと身が竦む。そこで先日はちょっと誰が見てるかわかんないからよそうよ、と申し渡ししぶしぶ家人もそれに従ったのだが、用事を済ませて帰宅するまで結句知り合いにはひとりも出会わなかった。そら見たことかと嵩にかかって家人が言うには、これならずっと手をつないでいても大丈夫だったと思わない?
思わない。