指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

カーヴァーをもう一冊。

「ぼくが電話をかけている場所」の村上春樹さんの訳によるいちばん最初のバージョンを渋谷のブックオフで今日見つけた。収録作はどれも一年前に読んだものばかりだったが装丁とかなんとなく良くて買って来て読んだ。訳者あとがきが結構おもしろい。後年村上さんはテス・ギャラガーの家までカーヴァーを訪ねてインタビューしたりしているがこの段階では原書のテキスト以外にカーヴァーを知る手だてが無かったようで、あとがきも慎重に書かれている分カーヴァー像はすごくミステリアスな印象になっている。現在では「頼むから静かにしてくれ」で通っているカーヴァーの初めての短編集も「どうかお静かに」と訳されていたりして、こういうのってほんとマニアっぽくて我ながらどうかと思うけどでもとても興味深い。
ところでもう一冊だけどうしても読んでおきたいカーヴァー関連の本が見つかったけど現在では入手できないらしく、アマゾンで一万円の値がついていてちょっと二の足を踏んでいる。とりあえず区の図書館にあることがわかったので取り寄せてもらっている。楽しみだ。