指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

一、二年生のときの担任の先生。

子供が一、二年生の時担任して下さったのは新任の若い女の先生で、子供が三、四年生のときは他の学年を受け持っておられたが、五年生になってまた子供の学年の担任になられた。残念なことに子供はその先生の受け持ちのクラスには入らなかったがとても慕っているようで、また先生の方でも何かと声をかけたりして可愛がって下さっているようだ。この前の運動会の時も白組の応援団に入って一生懸命頑張っていたが、結局赤組が優勝してすごくしょんぼりしていたのを、背中から肩を抱いて慰めて下さる姿が見られた。
今日は学校の参観日だったので休みをもらって家人と見に行った。するとその先生がわざわざこちらまでやって来て、運動会の応援団、とても頑張っていましたね、もう学校中の有名人ですよ、と声をかけて下さった。その前には家人を見つけて同じような言葉をかけて下さり、すっごくかわいいお子さんですね、みたいなこともおっしゃったそうだ。見た目とかではなくまっすぐひたむきでいつでも一生懸命なところをそんな風に評して下さったものと思われる。誰かに、特に学校の先生にそういう風に言われたら親としては相当うれしい。あなたたちの育て方は間違ってなかったじゃないですか、と言われたような気さえする。
亡くなった吉本隆明さんの言葉を借りると、無意識についた傷が比較的少ないということになるんじゃないかと思う。そして確かにそういうことを心がけて子供を育てて来た。