指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

作文を書く。

午前中は最寄りのJRの駅まで歩いて行って散髪。以前四千円ちょっとかかる近くの床屋に通っていたことは何回か書いたと思う。でも何しろ僕は床屋でじっとしてるのが苦手で長いと一時間半くらいかかるそこは正直いやだった。ただこの界隈にある三軒ほどの中ではいちばん腕がよいらしく、家人があそこで切るとかっこいいと言うので我慢していた。あるとき子供が千円で切ってもらえるチェーン店に行ったときたまたま僕も髪が長かったので一緒に切ってもらった。そしたら十分ちょっとで終わって快適だしこれで千円はとても安い。以来愛用している。もともと髪型なんて興味ないし。本屋で待ってる家人と合流してブックオフに寄って子供のための本を一冊買って、お弁当を買って帰って来て昼食。その後宵っ張りの家人は昼寝だけど僕は我慢して作文を書く。
面接の日程調整の件で昨日メールをくれた企業から結局昨日のうちに返信があって面接日時は決まったんだけど、そのメールに面接の前の日までに指定の課題で作文を書いてメールで送って欲しい旨書き添えられていた。すぐに返信して面接の日時の了解と、作文も前の日までに書いて送る旨知らせた。ここはじっくり時間をかけて取り組むべきかとも思ったけど、今日になってクオリティーが同じなら速い方が印象がいいのではないかと思い直して書いてしまうことにした。
勝つためにはまず相手を知れ、というのは鉄則なので相手を知るためにハロワでもらった求人票に表示されているその企業のサイトのURLを手打ちするが、その場所にはコンテンツが無いのかエラーメッセージが出る。ではということでその企業の名前で検索するとすぐにヒットした。ページは結構多いけど丁寧に見て行くと、あったあった、会社の代表が業務上での自分の理念をかなりの長文で吐露してるページ。これから書く作文のテーマにばっちり合致したことも述べられている。そこからメインになる論旨をふたつ拾い出しさすがにそのままでは具合が悪いので、論旨の片方は順番を変えたり細かく表現を改めたりして別物に見えるように加工する(たとえばページに「成功体験」とあるのを「わかった、できた、という喜び」としたり。)。もう片方は僕自身の体験談を書いてそこから学んだ教訓のような風に仕立て上げる。仕立て上げるったって別に嘘をついてる訳じゃなくて本当にそう思ってもいるんだけどね。最後にもうひとつ、これは自分のオリジナルっていう論旨を展開して都合三つの論旨で出されたテーマに沿って書き上げる。ワードの初期設定でちょうど一ページ分で二時間かかった。まあそんなもんなんじゃないかな。