指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

恐い夢。

記憶に一度もないほど珍しいことなんだけど昨夜遅く、と言っても11時過ぎくらいだったか子供が寝室から居間にやって来て、恐い夢を見たから少しの間こっちにいていいかと尋ねる。それは全然構わないけどどうしたのかと尋ねると、昼間友だちのスマホで「なめこ栽培」を見せてもらった後何やら恐い動画も見てしまいそのせいで恐い夢を見たと言う。どういう性質のどの程度恐い動画をその子が見ているかがちょっと気になる。恐い以上に問題をはらむ動画すら見てるんじゃないか、とか。でも子供にそれを思い出させるのは逆効果なような気がして詳しくは尋ねなかった。11時半頃にパパは寝るけど一緒に向こうの部屋に行くかと尋ねるとまだ居間にいたいと言うので先に寝室に引き取った。居間にはまだ家人がいてテレビを観ていた。
何時頃かわからないけどうまく眠れずにやっと少しうとうとしたと思われる頃ドアが開いて子供がベッドに入って来た。眠れそうかと尋ねると眠れそうと答える。パパが一緒にいるから大丈夫、何も恐くない、と言うと、うんとひと言答え、それから数分後には寝息の音を立て始めた。僕は子供に背を向けて横向きに寝ることが多いんだけどその僕の背中にぴったり貼り付いて寝ている。普段夜中に子供が少しでも体を動かすと目が覚める。点検して毛布や布団から乗り出してるときはかけ直してやる。でも昨夜はそんな場合もずっと僕の背中に貼り付いていてそれは朝僕が目覚めたときまでそうだった。よほど恐い思いをしたものと見える。目が覚めたのかごろごろしてるけど思い切ってベッドを出る勇気が出ない感じだったので、頭を撫でながらもう恐い夢は見なかったか尋ねると、まだ少し見たと答えるので、もう朝だから大丈夫と言い聞かせる。うん、と答えてベッドから出て行く前に、子供が抱きしめてくれる。まだ時間があるので後は家人に任せて僕はまたうとうとする。