指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

太田裕美ファン。

「雨だれ」という曲を初めて聞いて以来の太田裕美さんのファンだ。ウィキペディアによると、この「雨だれ」がデビュー曲で1974年の11月1日発売とのこと。僕は11歳だったことになる。今のうちの子と同じ小学校五年生だ。その年の春猩紅熱から急性腎臓炎になり三ヶ月ほど入院した。退院すると父親がお祝いにステレオのセットを買ってくれた。ソニーのListen 1000というコンポでそれまでラジオのひどい音で聴いていた曲をものすごくきれいな音で聴くことができるようになった。レコードも安くなかったのでそう何枚も持っていなかったけど、レコード針を何度も取り替えながらこのコンポで高校を卒業するまでたくさんの曲を聴いた。でも太田裕美さんのレコードは一枚も持っていなかった(なんなんだ、一体。)。
最近たまにYouTubeを梯子して懐かしい曲を聴いているうちに俄然太田裕美ファンの血が騒ぎ出した。たぶんいちばんのヒットとなったと思われる「木綿のハンカチーフ」よりもずっといい曲がたくさんあると思う。デビューから十曲目まですべて松本隆さん、筒美京平さんのコンビ、その後もそうそうたる顔ぶれから楽曲の提供を受けている。声ものびがあってきれいだし、ルックスも個人的には好きだった。「九月の雨」とか「赤いハイヒール」とか「失恋魔術師」とか「さらばシベリア鉄道」とかどれもすごくいいけど今回の一押しはこれ。

 ♪恋のはじめだけー、みんな優しい〜。切ない。