指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ふたつのことが起こる。

結局月曜日に面接に行った企業から採用を見送る旨連絡が来て就活はまた白紙に戻った。どんな気がするかと言うとなんとなくさばさばした感じだ。求職の活動をした事実が無いと失業給付がもらえないからそのために形だけいろいろ動いている、というのが実相に近いかも知れない。いや違うか。少なくとも今回の応募に関して言えば採用されたら就職してもよかった。まるで問題が無い訳ではないにせよ。いいところまでは行くが相手からかこちらからか不満が出て最終的に話がまとまらないということの繰り返しにいい加減疲れてしまっただけなのかも知れない。失業五ヶ月目もすでに上旬が終わろうとしている。失業給付はまだ半年を優に超えてもらえることになっているが、在職時の給与のほぼ半額なので節約を心がけてもそれだけでは生活できない。動力の無いグライダーと同じで下降線を辿り続けいつかは高度ゼロに達してしまう。ゼロになってからでは遅い。それからでは、もう何もできない。
一方融資の件で二度目の相談をしに区役所へ行った。事業計画書について長々とアドバイスを受けたのでこれじゃあ駄目なのかと思っていたら、最後にこのまま提出しても通りそうかとも思うがより確実に融資を受けられるようにするためのアドバイスと言われてちょっと拍子抜けする。でもまあそれだけ親身になってもらえるのはありがたいことだ。発言も的を射ているし相当優秀な人なんじゃないかと思われる。十日ほど後にもう一度相談するための予約を入れた。事業計画書の他にも納税に関する書類や印鑑証明書などいくつかの書類が必要になるので次回はそれらも全部揃えていよいよ融資の申し込みに漕ぎ着けたいと言われた。基本的に自己資金と同額までしか借りられないのでそれほど高額の融資ではないがそれでもお金を借りて事業を興すとなるとそれなりの責任を背負うことになる。
以上、あのふたつが決定的に重要だったと後から思い起こすことになるかも知れない、ふたつのことが起こった。