指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

オーヴァー・ザ・ギャラクシー・レイルウェイ。

銀河鉄道の彼方に 高橋源一郎 著 「銀河鉄道の彼方に」
読んでいる間、冷たい水にずっと浸かってるみたいに哀しかった。でも高橋さんの小説を読むこととはこの独特の哀しみを読むことだといつも思う。
どこかのエッセイで高橋さん自身が、読んでいる間に他のいろいろなもののことを考えさせてくれる小説は自分にとっては大事な作品だというような趣旨のことを書かれていた記憶がある。個人的にはこの作品を読みながらボルヘスみたいだと思ったり、村上龍さんっぽいという気がしたり、これはあの有名なアニメーション映画の引用だなと気づかされたりした。でもいちばん強く感じられるのは表題の通り「銀河鉄道の夜」とその作者宮沢賢治ということになる。光を越える速度で疾走する銀河鉄道の行く先、その果ての果てでは時間も空間も無意味なものとして解体され世界は見失われる。そんな強烈なイメージが残っている。それはまた知れば知るほど相対的には無知になって行くというテーゼの繰り返しとも呼応している気がする。