指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

半日。

午後になって塾を開けると小学生の女の子が相次いでやって来てまだ提出期限まで余裕のある夏休みの読書感想文の宿題を始める。その間に何日か前に問い合わせの電話をいただいた保護者の方が突然いらして、学習相談を二十分ほど。宿題が終わると女の子たちが漢字のテストをやりたいと言うのでパソコンを立ち上げスキャンして画像で保存してある学校の一学期分の漢字テストを呼び出してプリントアウトする。算数の教科書に数直線の問題が載っていてそれをエクセルでつくり直したものを宿題にしてあったんだけどそれもやりたいと言うので同じようにプリントアウトして渡す。女の子たちが帰ると男の子がふたりやって来て授業を二時間行う。その間に別の学年の男の子がやって来てこれも夏休みの宿題を始めるがひとりでは難しそうなので夕方顔を出すことの多い家人にまかせる。授業が終わるとふたりは帰りすでに日は暮れているが宿題の男の子はまだ終わらないので家人にまかせたまま、やって来た中学生の授業を二時間。その間に宿題を終えた男の子と家人は家に帰る。午後九時前に授業が終わり中学生が帰ると消しゴムのかすと鉛筆で汚れた机と、トイレを簡単に掃除して電気を消しドアを閉めて帰宅する。子供はすでに入浴を済ませ後は寝るばかりになっている。うまく行けばそんな生活が一生続いて行くことになる。