指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

最後の運動会。

子供にとって小学生最後の運動会となった。僕はPTA関連の活動に熱心な人というのが生理的に苦手で授業参観や学校行事などを含めかなり頻繁に学校に足を運んでる割には父兄の間にこれまで知り合いというのが数えるほどしかいなかった。意識的に避けていたと言ってもいい。それが今年は新しい仕事を始めた関係で何人かお母さんの知り合いが増え挨拶の機会も増えた。同時に塾に通う生徒さんの競技も楽しめるようになったので運動会が数倍おもしろくなった気がする。その上子供が勤めた応援団長というのがまたものすごく目立つ。開会式では名前を呼ばれて昨年の優勝旗を返還する。その後、四、五種類ある応援の文字通り音頭を取って全校児童の半数に当たる自分側のチームを盛り上げる。同じく半数いる相手チームの応援団長とエールの交換をする。競技中もずっと扇子や旗を振り歌を歌い拳を突き上げる。何しろ出ずっぱりで運動会というのは応援団長のためにあるんじゃないかと思われて来るほどだ。でも残念なことに僅差で相手に負けてしまった。準優勝(二チーム中の準優勝)のカップを手にして悔しいのか子供は表情をゆがめて泣いていたが、いやあれだけ全力で応援に取り組んだ挙げ句負ければそりゃ涙も出るだろう。昨年慰めて下さった先生もそんな子供の方を優しい表情で見つめておられた。あの後何かお言葉をいただいたのだろうか。五年半見守っていただいたその先生ともあと半年のおつき合いということになる。

追記
結局その先生はねぎらいの言葉をかけて下さった上、ご自分の担任のクラスでわざわざ子供の名前を出してあれくらいがんばって物事に当たりましょうという趣旨のことをおっしゃったと言う。初めて担任をしたクラスにいた生徒のうちのひとりということで思い入れもひとしおなのかも知れない。