指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

それはそれで構わない。

ぼくはスピーチをするために来たのではありません
講演集ということで作家の生に近いヴォイスが聴けるのではないかと期待していた。でも講演というのは大抵すでに書かれた原稿を読み上げるものだしスピーチ嫌いの作家なら尚更だろう、聞こえてきたのはきちんと管理されたヴォイスだった。よく下調べがしてあるし効果が計算されている。機知に富みユーモアがあってときに語り手はとても楽しそうだ。もちろんそれはそれで全然構わない。
個人的には、こちらも作家としてとても気に入ってるフリオ・コルタサルを追悼したもの、ほんの少しだけど小説作品に触れたもの、それから「百年の孤独」出版前夜の困窮状態に触れたいちばん最後の講演の三つが心に残った。