指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

魔女天使。

中学のときにアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の洗礼をしっぽの先まで浴びて以来松本零士さんの作品にコミックもアニメもはまっていたことはこれまでにも断片的に触れて来た。そのほとんどは今でも実家に置いてあるけど上京してから買い直した「銀河鉄道999」や「クイーン・エメラルダス」のハードカバー版は数年前から子供も読むようになった。両方とも今読んでも本当に優れた作品だと思うので子供が読むのはいいことだと思っていた。その子供がつい最近「魔女天使」と「ヤマビコ13号」の単行本をどっかから引っ張り出して来た。僕は「魔女天使」という作品の、日常の中に継ぎ目が見えない巧みさでファンタジーを織り込んだ作風を偏愛して、主人公のさえない男の子に自己を投影してたんだけど子供によるとどこがいいのかわからないということでちょっとがっかりした。なんかこうまだあまりコンプレックスとかいうことを体験したことがないせいかも知れない。「ヤマビコ13号」の方は999の元になったとも言われるその名も「銀河鉄道の夜」という作品を収録した短編集で中にはかなりの性描写がある作品も含まれているので気づかれないようにあわてて隠した。その替わりという訳でもないんだけどうちに一冊だけあって子供が大変気に入り他の巻が読みたいと言っていた「男おいどん」を大人買いしてあげようかと考えている。