指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

雨の午前中。

雨を見越して昨日のうちに余分に買い物をしておいたので午前中は何もすることが無かった。朝食を済ませると本を持って再び寝室に引き上げベッドに横たわった。午前九時半でお昼までたっぷり二時間半読書ができるはずだったのに気づいたら十一時前で一時間半近く眠ってしまっていた。割に疲れているものと見える。昼食後も少しだけだけど昼寝。

(前略)
「あなたが気に入った」と彼女は唐突に言った。「あなたは奇跡というものを信じている。この事務所にはお酒は置いてないのかしら?」
 私は深い抽斗の鍵を開け、中からオフィス用のボトルと、二個の細長いグラスを取り出した。そしてグラスに酒を注ぎ、二人で飲んだ。(後略)

フィリップ・マーロウのオフィスとシドニーのグリーン通りにある私立探偵のオフィスはつながっている。そしてそれは大変厚かましいことにうちの塾にもつながっている。前にも書いた通りそこにいる間は一滴も飲まないけどバーボンのボトルだってちゃんと置いてある。