指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

一日がふたつある。

今日みたいに朝六時前に家を出て特別にバイトを三時間半に短縮してもらって帰宅した後、子供の通う中学と塾の生徒さんたちが通う小学校で行われている授業参観を足早に見て回りビールを一本飲んでからの昼食後一時間半ほど昼寝して午後三時半から塾を開けてやって来る生徒さんたちの勉強を見ていると、朝寒い中自転車に乗ってバイトに出かけたことが今日あったことのようには到底思えなくて一日がふたつあるように感じられる。先月の授業参観のときはバイト先の事情でどうしても早退することができなかった。そしたら訳あって両親が別居していてお母さんとふたりで暮らしてる塾の男の子が参観来なかったねと言い、昨日も同じ男の子が明日参観だけど来られないよねと言うので、そこは万難を排して行っておきたかった。教室で彼と目が合うとすごくうれしそうにしていたので本当によかったと思った。その他にひとり授業中脇目もふらずノートに何か書き込んでる塾の生徒さんがいて、しばらくその子のそばにいたけど結局気づいてもらえなかった。でもそれはそれで構わない。前に書いた子供にとても良くして下さる小一小二のときの担任の先生が気づいて声をかけて下さり、お子さんにはご兄弟がいないと思いましたがどうしましたか、と笑顔で尋ねられるので、まさか塾の生徒さんを見に来ましたとも言えずに答えに窮していたら家人が当意即妙な答えでごまかしてくれた。その他生徒さんの保護者の方数名に会い挨拶と雑談。なんかこう営業活動とかロビイングとかそういうニュアンスも出て来たけど、参観に出かけた動機はあくまでも純粋なものです。
塾の看板にマグネットでペン立てを貼り付け、自由に持って行ってもらえるよう丸めてひもで結んだ筒状のちらしを挿してるんだけど今日の午後わざわざそれを取りに来たという感じのお母さんらしい影がふたつあった。片方は自転車でやって来てそれを取ると回れ右して帰って行った。片方はクルマを止めて降りて来てちらしを取るとまたクルマに乗って去って行った。どちらもとても目的意識が高いように感じられた。授業参観での保護者間の情報交換効果?うちのことをすごくほめてくれた保護者の方がいたのかも知れない。だとしたらちょっと期待が持てるかな。だといいなあ。