- 作者: 山崎ナオコーラ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/02/27
- メディア: 文庫
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そう考えるとこの短編集に登場する人々はその作品を構成するのにちょうどよい感受性を備えているということになるんじゃないかと思う。それは「文庫版あとがき」に書かれた作者の言葉と呼応しているかのようだ。
(前略)時間の洗礼を受けた場所と、ちょうど良い感受性を携えた私が交差する。肉体を受け継ぎ、三十年ほどかけて文化の訓練を受け、感受性が花開いた私が、場所を奇跡のように味わう。(後略)
この短編集のテーマでもある旅について作者自身が思いを語っているところ。こういうことをさらりと言えるのは本当にかっこいいと思う。
ニキや雪村の同類が登場していることだけはちゃんと気づくことができた。