指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

コンプリートしよう。

前職を辞めて丸四年が過ぎた。その間ずっと、数少ない例外を除いて本を読む習慣が途絶え、自分にとって割と重要な本も買い逃して来た。本を買う余裕なんか無いと思っていた。それが先月あたりから急に、割と順調なペースで本を読むことができていて、そうなってみると買い逃した本をコンプリートしたいという気持ちも強くなった。それで思いのままにとは言えないけど一定の範囲で本を買うことを自分に許すようになった。先月はガルシア=マルケスのシナリオの書き方の本をブックオフで見つけ、半額でもそれなりに高かったけど買った。今月に入って買ったのがこの本。高橋さんの本も、まだ何冊か買い残してるのでがんばってコンプリートしよう。
一口で言うことは難しいけど、たぶん、あらゆる点から見てこのままじゃ駄目だということが書かれている。でも希望はある。少なくとも誰かの意見や行動、ムーブメントといったものの中には希望を抱かせるものがある。それらのもしかしたらかすかかも知れない姿を、筆者はおそらく膨大な読書量と想像力を使って見つけ出しすくい上げて見せてくれる。だから文体は決して暗いものではない。そして例によって何冊かの本が読みたくなる。田中康夫さんの「33年後のなんとなく、クリスタル」は最寄りのブックオフの棚にあったから買おう。都築響一さんの「独居老人スタイル」は図書館にリクエストしよう。