指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

それほどひどくないんだけどなあ。

このひとつ前のエントリで触れた、カテキョでなく新しく塾に入ってくれた生徒さんの方の話なんだけど、最初の授業を今日行った。いちばん不得意で成績を上げたいという数学の授業で、期末考査の試験範囲に当たるところの問題をまず解いてもらうとこれがほとんど理解できていないことがわかった。なのでレベルをいちばん低いところまで下げて基礎の基礎から復習することにした。最初は本当に自信なさげで質問とかしても焦って答えがしどろもどろだったので、君さあ全然自信ないの、と尋ねるとまあまあ自信ないですと答えが返って来た。それで今までそんなこと言ったことないんだけど思いつくままに、できるためには自信が必要だし本当はできないと自信というのは持てないんだけど、君はできるようにならなければならないんだから先に自分はできるという自信を持ってみたらどうだろう、と、本当は卵が先かニワトリが先かわからないことを、あえてニワトリ優先の発想に切り替えてみてはどうかとたぶん持ちかけたんだと思う。我ながらすごく変な理屈だけどだってできるのを待っていたらいつまで経っても自信が持てないか知れないし、先に自信が持てたらそれに越したことはない。ところがそれ以降彼の態度が目に見えてリラックスして来てそうなると当たり前だけど正答率もみるみる上がって来た。イメージとしては、ところどころおぼろにわかってることがつながったらすごくよくわかった、みたいな感じだった。だから今までの積み重ねは割とちゃんとしてる気がした。こんな生徒さんがなぜ底辺の私立を第一志望とするんだろう?