バイキング形式の食事というのが苦手だった。自分の好きなものを自分の好きなだけ自分で取るという行為がどことなくはしたないものに思われていたからだった。若い頃というのはどうしてあんなに人の目ばかり気にしていたんだろうと今は思う。前の会社で出張を重ねるうちにホテルでのバイキング形式の朝食にだんだん慣れしまいには楽しみにすらなった。子供が修学旅行とかで泊まりで出かけると家人と一泊で遊びに行ったりするんだけど必ずバイキング形式の朝食が付いたホテルを取る。家人はパンを僕はご飯を食べるし取る料理も全然違うんだけどふたりともそれを楽しみにしてる点では変わらない。この前父の四十九日の法要で福岡を訪れたときも前にも書いた通り子供は朝から大好物のかしわ弁当を食べていたけど家人と僕は朝食のバイキングを食べた。割に地味な内容だったけど無料のサービスだしおいしかったので文句は全くない。
今日のタイトルは大島弓子さんの短編のもじり。すばらしき朝食と言うと真っ先に去年の今頃食べに行った吉祥寺多奈加亭のものが思い浮かぶけど今の生活では吉祥寺まで出かけるのはなかなか難しい。去年は結構頻繁に行ってた気がする。原因は夏休み以降バイトを辞めてしまって基本的に毎日午前中がお休みだったことと思われる。割にぜいたくに時間を使うことができたし塾でしか働かないので体も楽だった。でもそんなぜいたくも結果的にはあまり長くは続かなかった。
最近ではロイヤルホストの朝食が僕たちにとってのすばらしき朝食になっている。バイキングではないんだけどクオリティーが高くおいしいしお店自体がゆったりしていてとてもリラックスできる。店員さんも感じがいい。相変わらず家人はパンかパンケーキが主体のものを僕はご飯のものを食べている。ドリンクバーをつけて今日はオレンジジュースとダージリンを二杯ずつとアイスティーを飲んだ。ふだんは甘いジュースなど飲まないんだけどすばらしき朝食にはオレンジジュースがよく合う。僕たちにとってはちょっと高価なんだけど初めて食べに行ったのは家人が最初の原稿料をもらった後で家人が払った。それ以来ここの朝食は家人がもつことになっている。もしかすると僕以上に家人にとってこういう時間と場所が必要なのかも知れない。もちろん僕だってとても楽しみにしているけど。