指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ピョンチャンオリンピック女子カーリング三位決定戦。

まさかと思ったけどイギリスチームの最後の一投で日本チームが一点を取って逃げ切った。イギリスが二点取れば逆転負けの場面だった。そして最後の一投が投じられる前は当然イギリスが二点取るだろうと―おそらく日本チームのメンバーでさえ―かなりの割合で思っていたんじゃないかと思う。でも終わってみればイギリスは二点を取りに来るべきではなかったように思われる。着実に一点取って延長に持ち込むべきだった。なぜならおそらくこの試合に限って言えば後攻は全く有利に働いてなかったからだ。その証拠に全エンドを通して両チームとも最大で一点ずつしか取っていず後攻なら複数点というセオリーが成り立っていない。だから9エンドで一点取って最終エンドの後攻をイギリスに渡すかわりに日本が勝ち越したとき素人目にはこれはかなり有利なのではないかと思われたのだ。イギリスが最後の一投で二点を取りに来たのは最終エンドで一点しか取れないと同点には持ち込めても有利な後攻を延長で日本に渡さなければならないことを嫌ったためと思われる。つまり9エンドに日本が取った一点がイギリスチームに二点取らなければならないという大きなプレッシャーを与えたことになる。イギリスはこれをプレッシャーにしないこともできた。その唯一の方法が最終エンドで一点しか狙わないという選択だった。健康のためなら死んでもいいという言葉が思い浮かぶ。ある意味でイギリスは日本に後攻を渡したくないがために負けたと言っていい。