指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

また読み始める。

一昨年の秋くらいに少しまとめて本を読んだんだけどそれからまた長いブランクがあった。早い話が経済的な問題がある程度まで解決しないとおちおち本も読んでいられないということになるんだと思う。それがやっと少し落ち着いてきたのでまた読む気になったらしい。ひどいもので村上春樹さんの訳した作品でさえ購入はするものの読んでないのがあった。「村上さんのところ」を読んだ後まずはそれらに手をつけた。グレイス・ペイリーの「その日の後刻に」とエルモア・レナードの「オンブレ」を続けて読み次はカーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」に白羽の矢を立てようとしたら今日書店でスティーヴン・ミルハウザーの新しい翻訳を見つけて結構高かったんだけど思い切って買った。今日からそれを読もうと思う。
村上さんのところ」では、村上さんの一貫した姿勢が印象的だけどもしかしたらお年のせいかも知れないけど細かく読むと、あれ、これぶれてないかと思わされるところが無いでもない。そこでは村上さんの自己像が小さく矛盾を起こしてるはずなんだけどそういうことを言えば自己像が完全に一貫してるというのもなんだか人間ぽくないのでまあこれはこれでいいんじゃないかと思う。僕は村上さんよりは若いけど家人に言わせれば加齢による自己矛盾は年々ひどくなっているということになるだろう。グレイス・ペイリーは帯に「心優しい宇宙」とあるんだけどいったいどこが心優しい宇宙なんだろう?自己倫理がかなり徹底している意識高い系の中年女性を主人公にした短編がほとんどだと思うんだけど。ペイリーの短編集は全部読んだけど優しいと思ったことはあまりないなあ。とまあこれは言いがかりに近い。「オンブレ」はすごく意外な展開で驚きました。村上さんのレナード評にはものすごい説得力がある。まあいつも大体そうだけど。ミルハウザーは何冊か買い逃しているんだよなあと思う。「ナイフ投げ師」があまり好きではなかったからだという記憶があるんだけどこの「十三の物語」はどうだろうか。