指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

芸術家の悲喜劇。

スティーヴン・ミルハウザーはこれまで自分の技術や技巧をあまりに洗練させて行ったために世界から受け入れられなくなる芸術家の姿を何回か描いていると思う。それは悲劇でも喜劇でもあるんだけど本当の悲喜劇はミルハウザー自身がそんな芸術家のひとりになってしまったように思われることだ。