指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

バイトを探し続けている。

 一件決まった清掃のバイトは十月からということでどのように仕事が始まるかとか話を聞かなければならないんだけどできればやりたくないなと思っているのでとりあえず採用してもらったことへの感謝のみメールで伝えて先方からなんか言ってくるまで放置している。採用されたらすごくうれしいと思ってるPC関連の仕事はウェブ応募だけして面接まで行けるかどうかわかるのに一週間程度かかるということで待っている。もうひとつ前々からここで働けたらいいなと思っていた倉庫仕事があってずっと求人が無かったんだけど何ヶ月か前に前を通りかかると求人の貼り紙が出ていてスマホで写真を撮って一度電話でシフトのこととか聞いてみた。前職では商品のピッキングとか出荷のための装備とかいった倉庫仕事も結構やってて実はそういう仕事が地味に好きだった。少なくとも外回りで人と話したりするよりはずっと向いてる気がした。大体どうして僕を採用して営業職にしたのか前の会社の考えが全然わからない。ろくに研修も無かったしあったとしても相手と交渉して自分の有利な風に話を持って行く能力なんて無いばかりかそもそもそういうこと自体を忌み嫌っているのに。それはさておき仕事はピッキングと梱包がメインのようで楽しそうに思えた。ところがある日また会社の前を通りかかると、そこは道沿いにあるシャッターを上げて作業をしてるので仕事ぶりが外からも見通せるんだけど、ヒザをついたりしゃがんだりして作業している人がいた。前職を辞めてもうすぐ七年経つけどこの間にヒザの痛みがかなり深刻になってきた。手術をした右足はもとより右足をかばっている左足のヒザの痛みも結構ひどく正座なんてもっての外、しゃがむのもできそうもなくうちは椅子の生活ではないので床から立ち上がらなければならないんだけどそれがすでにつらい。そう考えるとちょっと無理なんじゃないかという気がしてきた。
 それで今は毎日ウェブでバイト探しをしてるんだけど年齢の高い人でも応募できる「シニア応援」という条件を入れると職種というのは大体決まってしまう。清掃か警備か介護かマンションの管理か。コンビニやファミレスなんかもないではないけど客商売はできそうもないので最初から勘定に入れてない。塾講師もあるけど自分の塾と時間帯が完全にかぶるのは当たり前の話だ。ウェブで長い仕事のリストに目を通しているとこれは純粋な時間の無駄じゃないかという気がしてくるけどたまーに心躍る仕事もあってそういうのを求めて半ば飽き飽きしながら探し続けている。