指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

これからどうなる。

 子供は明治大学と滑り止めの大学の両方に落ちてしまった。残るは早稲田大学のふた学部だけどまあ順当に考えて受かってるはずはないと思われる。これからまだ後期日程というのがあって日本大学を受けたいと言う。やれるだけのことをやったらいいと思う。
 落ちたことがわかった夜は大変落ち込んで泣いていた。僕自身は浪人覚悟の高三だったので全部落ちてもそれほどショックではなかったしそれより予備校のために東京で暮らせる喜びの方がずっと大きかった覚えがある。だから大丈夫だからとにかく前を向いて行けと言い聞かせた。翌日の午後子供は高校の担任の先生を訪ねに行った。去年の夏休みに三者面談で僕も会った先生でとても熱心で生徒思いの方だ。それで話したら随分落ち着いたらしい。浪人するにしてもどこかひとつ受かっておくのとどこも受からないのとでは大きな差があるので後期日程でどこか受けた方がいいと勧めて下さったのもその先生だった。子供は高校に対してはかなりの不満があるようで受験のサポートをするどころかなんなら邪魔になると思っているようだけどこの担任の先生とめぐり会えたのは大変よかったと思う。子供もそれには同意している。
 話は脱線するけど高校なんて受験のためにはなんの役にも立たないと僕も思う。さすがに邪魔はされなかったけど役に立つことなんて何一つしてくれなかった。その授業は受験のレベルには明らかに達していないしだから高三にもなるとほとんどの生徒が授業中に隠れて参考書を解いていた。もちろん僕もそうだった。結構な進学校だったけど優秀なのは教師ではなく生徒だった。優秀な生徒は教師なんて頼らずに自分の力で成績を上げることができる。進学校進学校であり続けることができるのは毎年そうした生徒を集めてるからであって教師の成果ではない。少なくともうちの高校はそう考えるしかなかった。
 それはさておき子供は浪人を視野に入れつつ日大の受験に備えることになった。私見では日大も子供にとっては相当荷が重いと思うんだけど最初にも書いたようにやれるだけのことをやった方がいいと思って見ている。これからどうなるかはもうしばらくわからない。