指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

もっといたいな。

 昨日書いた五年生の女の子が今日初めて通常の授業にやって来た。ちょっと神経質なところが見受けられたけど基本的には頭の回転の速い子で質問も多くてつつがなく授業は終わった。お母さんが迎えに来るということでその後教室でちょっと待ってる間に机の上にあるものに次々と興味を示す。石を削ってつくった卵形のペーパーウェイト、小さな乾電池が入っていてスイッチを入れるとぴかぴか光る雪だるまをかたどった置物、同じく電池入りで炎のようにゆらゆら揺れる光が灯るカンテラなど。目を輝かせているので僕はこういうのが好きなんだよと説明する。帰り際お母さんに向かってもっといたいなとつぶやくのが聞こえた。時間が許すなら今度好きなだけいていいよと思う。