指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

自分でやれ。

 個人的には反抗期というのが誰にでもあるというのは幻想であり子供と意思の疎通が図れない親たちがそのことを当の子供のせいにするための都合のいい口実に過ぎないと考えている。僕にもそういう時期があったけどそれは反抗期のせいではなくはっきりと親に問題があったからだった。そのことは明確に指摘することができるしその指摘に自信も持っている。なぜなら僕の親にあった問題をきちんと回避した結果うちの子には反抗期など微塵もないからだ。大切なのはたったふたつの点だ。ひとつは愛すること、もうひとつは子供に嘘をつかないことだ。僕の親は愛情は深かったけど僕に対して嘘をついた。僕はその嘘に傷ついたし反抗もした。だから僕は(家人も含めて)子供には絶対に嘘をつかないようにしてきた。それは言葉で言うほど簡単ではないけど努力さえ惜しまなければやってできないことではない。ところが反抗期で自分の子とコミュニケーションできないからと言って僕にそれをやらせようとする親御さんというのがいる。結構いる。先生のおっしゃることなら聞くと思いますのでとか言うならまだいい。受験生の親御さんで反抗期で子供とよく話してないんだけど本人が志望校選びに悩んでるようなので塾の授業を見ていてどれくらい合格の可能性があるのか教えて欲しいとかいうメールをよこす。そんな客観的な基準がある訳がない。生徒さんと話をしてどこが悩んでるポイントなのか突き詰めて考え成績とかこれからの見通しとか含めてじっくり話し合って双方納得ずくの答えを出すしかない。この親御さんは暗に僕にそれをやってくれと依頼してることになる。でもそんなの親にしかできないんだよ。きっと多くの親御さんがそれに向き合ってきたし僕だって自分の子に対してきちんとそれをやった。それは塾の講師だからできるとかそういうことじゃなく愛情の問題なんだよ。だからあなたも逃げずに自分でやれ。