指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

煮詰めていたい。

 1983年のディスコミュージックのお気に入りを集めたものをCDに焼いて聴いている。全部で12曲の精鋭部隊なんだけど(ほんとはもっとあるんだけどCD一枚の容量には全部は入り切らなかったので。)それでもだんだん聴き飽きる曲というのが出てくる。全く聴き飽きないのはたった四曲となってしまった。まずユーリズミックスの「Sweet Dreams (are Made of This)」、イエスの「Owner of a Lonely Heart」、トンプソン・ツインズの「Lies」、それからヒューマン・リーグの「Fascination」。ランダム再生で流して聴くときには全部聴くけどたとえば10分だけの空き時間に聴くとかいうときはこの四曲以外は飛ばしたりする。これら四曲の何が自分を惹きつけてやまないのかはちょっと考えてみたけど到底わかりそうにない。(あの薄暗いディスコのフロアに連れ戻してくれるという意味では12曲全部にまだその力が残っている。)この四組のアーティストのアルバムをしっかり聴き込んだこともない。ユーリズミックスに関しては他に二曲、トンプソン・ツインズは他に一曲しか知らないしイエスとヒューマン・リーグに至ってはこの曲しか知らない。若い頃ならこの人たちの他の曲も聴いてみようと思ったかも知れないけど今はなんかがっかりするのが恐くて手を広げようとは思わない。ただこの四曲だけが輝かしく孤立している。
 ところでこれらの曲を集めるために10枚以上に及ぶオムニバス・アルバムを聴いた結果ディスコで聴いたのではないけど割に好きな曲というのがたくさん出てきてそれはパソコンの他のカテゴリーに集めてある。ボーイズ・タウン・ギャングの「Can't Take My Eyes Off You(邦題「君の瞳に恋してる」)」とかデビッド・ボウイの「China Girl」とかディオンヌ・ワーウィックの「Heartbreaker」とかマイケル・センベロの「Maniac」とかポリスの「Every Breath You Take(邦題「見つめていたい」)」とか実にとりとめがない。(今ミスタッチで「見つめていたい」が「煮詰めていたい」になりひとりで結構笑った。煮詰めていたいってどんな状況なんだいったい。)時間にして三時間を超えるコレクションだ。その中でも一曲だけ繰り返して聴くほど気に入ってるのがキム・カーンズの「Bette Davis Eyes」。これはだいぶ前から知ってて声がロッド・スチュアートに似てるので彼の曲かと思ってた。でもよく聴くと女性の声のようにも聞こえる。つか実際女性だ。やはりYMOの影響と言うかシンセサイザードラムとかすごく心地よい。ハスキーなヴォーカルもいい。これらの曲はウェブで検索するとすべて動画とともに聴けると思います。またタイトルは初め「聴き飽きない曲。」だったのを「煮詰めていたい。」に変更しました。