指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ゴールデンウィークの終わり。

 日曜も含めてずっと仕事だったGWが終わる。ただ今年はこれまでより授業数が少なくてそういう意味では楽と言えば楽だった。明日から通常営業。明後日は体験学習がひとつ予定されている。だから気分が軽い。希望がたったひとつでもあれば多少の不安は相殺できる。

 家族三人で夕飯が食べられるときはマックとかモスバとか買って来ることが結構ある。もっとも僕は食べない。初めは食べてたんだけどだんだん胃に厳しくなって来ていつ頃からか食べなくなってしまった。家人と子供が食べてる間僕はチューハイを飲みながら適当なものをつまみ最後に冷凍パスタをレンチンしてもらって食べる。そこに最近日高屋が参入して来た。理由はハンバーガーショップでは子供が満足できないことで日高屋ならお料理を単品でテイクアウトしてうちで炊いたご飯を好きなだけ食べることができる。家人はタンメンが好きなのでそれと半チャーハンなんか食べている。僕は餃子を買って来て五、六個つまみながらチューハイを飲んでおしまい。あるいは家人が勧めるのでチャーハンをほんの少しもらって食べたりする。結局三人で食べるとなるとやはり子供の好みが優先されるということでもちろん家人も僕もそれにはやぶさかではない。むしろそういう希望を述べてもらった方が何を食べるか考えなくていいので楽なくらいだ。

 考えてみると今の子供の年の頃僕はすでにひとり暮らし二年目で朝食と夕食のまかないのついた浪人向けの下宿にいた。ディスコ仲間のいた下宿だ。日曜と祝日はまかないがお休みだったので三食自分で調達しなければならなかった。で僕は荻窪駅前にあった牛めし松屋(最後に中央線から見たときにはまだ同じ場所にあった。)の牛焼き肉定食(略称ギューテイ)が大好きだったので朝昼晩とそれを食べに行っていた。490円だったと思う。と書いてみると今の食生活からしたら結構ぜいたくに思える。冷凍パスタなら下手すれば三食分買える。薄い牛焼き肉をガーリックのきいたたれで食べる。山盛りの千切りキャベツがついていてかかってる甘めのフレンチドレッシングがすごくおいしかった。またそれだけ野菜が食べられれば体にもよさそうに思えた。どれくらい前だったかどこかの松屋で懐かしのギューテイを頼んだら昔とはだいぶ異なったものが出て来てかなりがっかりした覚えがあるんだけどその記憶が確かなものかすらもはや自信がない。もしもあの四十年近く前の松屋のギューテイがそのまま手に入るなら今の食の細さも忘れてがっついて食べるに違いない。