指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

眠い。

 年寄りは朝が早いと言うけどその領域に足を突っ込み始めたみたいで休みの日もほぼ平日と同じ時間に目が覚めてしまう。少し前までは二度寝できたんだけど最近はそれも時間がもったいないなと思うようになってそれが七時を過ぎていれば起きることにしている。七時より前ならもう一度寝ようと試みてはみる。うまく眠れることもあれば結局ずっと起きてることもある。相変わらず夢はたくさん見る。そして起き上がると疲労でげっそりしている。
 その時間にはたいてい家人ももう起きていて朝食をとって洗濯物を干して顔を洗ってまだ出かけるには早いのでテレビを見たり家人がゲームをしてればパソコンで音楽を聴きながらぼんやりしたりこうして文章を書いたりする。するとなんだかすごく眠い。今も眠くてでも居眠りは脳によくないとも聞くので絶対にしない。眠いなあと思いながらぼんやりしている。子供は週に四回大学の講義があるのでその日は普通に起きるけどない日は昼近くまで寝ている。そういう年代なので好きなだけ眠ればいいと思ってほっておく。その眠る力をうらやましいとちょっと思うけどその年代に戻りたいとは思わない。苦労してやっと五十代後半まで生き延びて来たのだ。今更若い頃の不安定さに戻るなんて真っ平だ。これでも少しは心穏やかになって来たのだやっと。
 今日はこれから高橋源一郎さんの新刊と教材と駄目になった下着の替えを買って来なければ。曲はマイケル・センベロの「マニアック」に替わる。