指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ワクチン接種三日目。

 午前2時頃寝て朝方お手洗いに行くと特につらさは感じられない。振替休日で仕事が休みなのでとりあえず寝られるだけ寝ようと決めてたんだけど8時前に雨音で目を覚ます。カーテンを開けるとまた土砂降りの雨。寝直す気にならずそのまま起きることにする。熱は36度3分と通常よりいくらか低い。でもそこはかとなく熱っぽい感じが残っている。いつものように水を1リットル飲んでから朝食を食べ家人と一緒に洗濯物を干す。後は静かにしている。先ほど9時半くらいに測ったら6度7分でまあ大体最近の平熱に戻っている。熱っぽさもほとんどない。もしかしたら副反応もこれでおしまいなのかも知れない。一般的に若い方が副反応が強く出ると聞くのでなんとなく副反応が強い方が免疫も強くつくんじゃないかというイメージを持ってしまう。アルコールを常用してると免疫が弱くなるとも前に聞いたことがあってすると僕なんかの免疫は最弱なのかも知れない。でもまあなんにせよやるだけのことはやった。
 ところで個人的に体温計にはちょっとしたトラウマを持っている。小学校に上がる前は本当に体が弱くてよく熱を出した。それであの水銀計って言うのかな銀色の線が伸びて行ってその先の目盛りを読んで体温を判断する古いタイプの体温計を脇の下に挟んでよく熱を測った。ところが子供なので脇の下自体が小さいこともあってしかるべき場所に体温計の先が当たってないことがしばしばありそうなるともう一度計り直さねばならなかった。体温計が五分計だったこともあってただでさえ熱でつらいのに測り直しでもう五分じっとしていなければならないのがすごくいやだったんじゃないかと思う。それでこの年になっても体温計を脇に挟むときにずれてないかすごく気になり慎重に位置を確かめる。今まで誰にも話したことがないけどこれはちょっとした心の重荷だ。その後三分計が現れデジタル式になって音で測り終えたことを知らせてくれるようになり今うちにあるのはデジタルの一分計でワクチン接種で使ったのはさらに計測時間が短かったような気がする。あの懐かしくも忌まわしい水銀の五分計からすると体温を測るのは本当に楽になった。でももしかすると具合が悪いのに五分もじっとしてるのはいやだというのは割に普遍的な思いでだから体温計はこれほどの進化を続けて来たのかも知れない。手首や額で一瞬にして体温がわかるなんて本当に夢のようだけどワクチン接種でも正式な体温はやはり脇の下に挟むタイプの体温計で測った値を採用していたのでまだあくまで近似値的な扱いなのかも知れない。個人的にはもちろんその精度がもっと上がることを期待している。かつての自分と同じ体の弱い子供たちのためにも。